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2009.03.23

Webをコミュニケーションのメインプラットフォームに!

出典:BPnetイベント(スキルアップコラム) / 庭山一郎

インターネットを活用すれば、なかなか会えない大企業のキーマンへのアプローチが可能になり、営業の機会損失も減ります。インターネットなんて関係ないと思っている業界こそ、売上に繋がるチャンスが潜んでいるのです。

営業支援の仕組みをインターネットでがっちり作る

客先でよくこんな声を聞かないだろうか?「おたくはそういう商品も扱ってたんですか?じゃあ今度見積もりをしてもらおうかな」「なんだ、そういうサービスも持ってたんですか、知っていたらおたくと契約したのに・・・」

これが「機会損失」だ。多くの場合この会話は上司に報告されない。自分が自社の商品やサービスをきちんと伝えていなかった、という事を正直に告白する営業はいないからだ。取り扱っている製品や新しいサービスの情報を顧客にきちんと伝えるのは実は非常に難しい。まず自社の営業スタッフがきちんと理解していないと話にならない。それとは別に顧客に理解してもらうためには、表現スキルが必要になる。新卒も中途採用も入ってくる営業現場で、理解スキルと表現スキルを常に高いレベルに維持するのは不可能である。

そこは、インターネットにやらせるべきだと私は考えている。知らせたい人に、知らせたい情報が、知らせたい時に、きちんと届く仕組みをインターネットとデータベースを組み合わせて作るべきなのだ。これがマーケティングの視点から見た「インターネットでやらせるべき仕事」だと私は考えている。

顧客とのコミュニケーションにもインターネットを利用

Webの活用が売り上げに大きく貢献した弊社のクライアントの事例を紹介しよう。

製造業向けに電子機器を販売しているこの会社は、当初顧客とのコミュニケーションにインターネットが役立つとは考えていなかった。顧客に対応するのはあくまで「人」、つまり担当の営業であり、インターネットは見込み客の育成にのみ使うと考えていた。だから展示会などで収集した見込み客とのコミュニケーションについてのみ弊社のサービスを活用していた。

見込み客の育成用に配信していたメールマガジンの評判が良いことに気がついた営業本部長は、顧客にも同じメールマガジンを配信しようと言い出した。配信リストに数千人の顧客リストを加えて何が起きたか・・・?
顧客からの、製品や保守サービスに関する問い合わせや新規案件がどんどん生まれてきたのだ。これは、担当の営業がサボっていた、という単純な笑い話ではない。

担当営業はキーマン全員には会えない

通常、顧客企業に所属する人の名刺は社内に数十人分も存在する。営業や契約、納品、メンテナンスやクレーム対応、さらに価格交渉の窓口になる購買など、さまざまな場面で交換した名刺だ。
もちろん長い期間でこちらの担当者も何人も代わっているし、先方の担当者や担当部署も代わっているかもしれない。今その会社を担当している営業スタッフが実際に面識があるのはその中のたった5人だけで、しかもそのうち3人は購買部だ。もちろん購買は製品に興味はない。

担当営業としては他の部署、例えば設計や、研究開発、生産技術などの人に会わなければならないが、これらの部署は都内ではなく、郊外の工場の敷地内にあり、アポイントなしでは敷地に入ることさえできない。電話をしても居留守を使われて出てももらえない。出てくれても、「用があればこちらから連絡するから」と取り付く島もない。今、大手企業相手に飛び込みセールスなどはほとんど不可能なのだ。

そうした企業の奥にいて営業を近寄らせない人たちも、実はインターネットを使って情報を取っている。電話には出てくれなくてもメールは読んでくれるし、面白い記事があればWebにもアクセスしてくれる。Webで興味を持てばセミナーにも来てくれる。「この新しいサービスの価格について教えてください」と問い合わせもしてくれるのだ。

インターネットへの取り組みは「本気」ですか?

BtoB企業では今でもインターネットに「本気」で取り組んでいない企業を多く見かける。そう話すと「ウチは10年前からWebサイトを開設していますよ」「うちはメールマガジンも出しています」という人が多い。Webサイトはデザイン会社に依頼すれば制作してくれるし、広告代理店に連絡すればリスティング広告は購入できる。しかし、それだけでは「インターネットに本気で取り組んでいる」とは言えない。

マーケティングで言う「本気」とは「売り上げを作るための活用」のことだ。
「売り上げを作る仕組み」としてどれだけ頼りになっているか、その結果として社内の営業チームや販売代理店をどれだけ支援できているか、ということが尺度でなければならず、いくらお金を使ったか、デザインの質、などは本質的な問題ではない。そういう視点で見ていけば、自社の売り上げを作るために本気で活用しようとしている企業はまだ少ない。

勘違いが多い「インターネットを活用しない理由」

本気で活用しない理由を聞いてみると「うちの業界ではインターネットなんて見る人はいないんですよ」「泥臭い建設業界ですから」「うちの顧客は製造業ですから」「印刷業界が相手なんですよ」「弊社は病院用の医療機器です。病院の先生方にメールなんて送れませんよ」などの答えが返ってくる。

多くの場合はとんでもない勘違いだ。お医者さんは論文を読む習慣があるから日本でも数少ないホワイトペーパーを読んでくれるターゲットだし、インターネットの黎明期からレントゲンなどの画像ファイルを転送してきた文化がある。医療機器ベンダーよりもはるかにインターネットに精通しているし、メールをしっかり読んでくれる。

日本の製造業の3次元CADの普及率は世界でもトップクラスだ。当然、設計から試作、量産金型の制作に至るまで全てがこのCADを中心に動くので、日常的にコンピュータに触るし、工場と設計センター間のデータ転送などでインターネットを活用している。印刷業界に至ってはデザイン会社や出版社からの原稿はすべてデジタルになっていて、今では版下や写植を知らない世代がいるほどだ。

建設関係はどうだろう。弊社の提供するインターネットを活用したデータベースマーケティングの代表的な成功事例のひとつは建設関連業である。大型案件の受注に目覚しい成果を上げている。海外でも建設業は積極的にインターネットを活用している。

2000年頃にアメリカの街を歩いていたときに住宅の建設現場で大工さんがノートパソコンをいじっていた。一緒にいたアメリカ人の友人に聞いたところ、この大工さんは翌日の工事に使う建材をオンラインで発注しているのだという。
普通の年配の大工さんがノートパソコンで建材屋のWebにアクセスし、在庫を確認して配達場所と時間を指定して発注する。翌日の朝には注文した建材が現場に配達されている。これが今から8年前のアメリカの姿だ。

インターネットはどこの誰が見ているのか分からないようなテレビ広告とはまったく違う使い方をしなければ意味がない。「売り上げを作る仕組み」として本気で取り組めば、これ程のイノベーションはない。

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