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2011.05.26

米国のリードジェネレーション(見込み客収集)

text:Shunsuke Ueno

どんなに良いマーケティングプランやツールを使っても、アプローチをする「見込み客」がいなければ始まりません。日本とは異なる、米国でのリードジェネレーションについて紹介します。

リードジェネレーションと言えば展示会や営業の名刺交換が真っ先に頭に浮かびます。しかし米国などは国土が広いですから、統計を取った訳ではないですが顔が直接見えないリードジェネレーションの方が主流でしょう。大企業が集中する「大都市」が少なくとも20は点在し、さらには国際的に展開している企業も多いので、営業活動は出張となり費用がかさみます。ですので、業界紙広告、テレマーケティング、ダイレクトメールなど顔の見えないリードジェネレーションを利用することが多いですし、特にWebを使ったリードジェネレーションが最近とても流行っています。

ただ、Webであろうと無かろうと、リードジェネレーションの結果は「見込み客リスト」であって、そのままではノイズが多過ぎて使いにくい物でしょう。リスト内の見込み客は、自社製品と関係があるかどうかも分かりません。相手は本当に自社製品に興味を持ってくれるのであろうか、興味があっても買う可能性(予算や決裁権)はあるのだろうか、などを絞り込むプロセスが必要です。これをクオリフィケーションといいます。このプロセスを通過した見込み客は、かなりの高確率で自社製品の購入の可能性があります。

企業によっては、息の長い営業活動がいる商材も存在します。ナーチャーリングやCRM、ブランディングなど、立場によって色々言い方がありますが、関係を築いて、育てて行くプロセスです。

しかし、ビジネス上リードは数万件以上にもなりえます。数万件を見つけるのも大変な事ではあるのですが、そこからさらに個々のクオリフィケーションを行うのは気の遠くなる作業です。

Webを使ったリードジェネレーションは、そのプロセスが自動になります。ジェネレートされたリードもデータなので、クオリフィケーションもデータマイニングなどで行えます。そしてクオリファイした見込み客にアプローチをかけてCRMに移行するのも、Web上でしたらかなり自動化できます。最終的に売り込むのは営業の仕事ですし、実際に製品を見せたりする直接的な営業に勝る物はありません。しかし、それらを管理するツールはもうWebなどで色々ありますので(SalesForceとか)、結果的にほぼすべてのプロセスの管理がWeb上で行えます。

その結果、手間の節約だけでなく取りこぼしやフォロー忘れが減り、またある見込み客が今回はクオリファイしなかったとしても、そのデータが残るので次回のクオリフィケーションでの追加データになります。この一連の手間の節約と最適化がWebを使ったリードジェネレーションの最大の利点でしょう。

よって、リードジェネレーションは単体のリードジェネレーションを指す事もありますが、特にWeb上でリードジェネレーションといえば大体これらの3つのプロセスを合わせて考えます。Webのリードジェネレーションは、広告、Webページ最適化、SEM、ソーシャルやコンテンツの充実、コンテンツとクオリフィケーションの統合(アンケート後のコンテンツのダウンロードなど)、メールからWebへ誘導した際のアクセス解析などを行います。また、Webの特徴として、ユーザーのアクション(クリック)を待つ受動型が多くなります。

Eloquaという会社はSaaSとして受動型のリードジェネレーションを提供しています。Webサイトのリードジェネレーションやその後のCRMを通してクオリフィケーションとナーチャーリングを継続して行います。長期のプロセスを前提にしているようですので、見込み客が何を欲しているのかが次第によくわかるようになり、実際に営業案件になった時点で欲しい物をすぐ出せるようになるのだと考えます。

また、B2Cなのですが、QuinStreetという会社は、逆に広告側に力を入れています。QuinStreetはInsurance.comという各種保険を検索できるサイトを運営しています。このサイトでリードジェネレーションを行い、消費者から情報を出してもらってクオリフィケーションを行い、消費者に保険会社をリストから選んでもらいます。これは選択肢として表示された保険会社をユーザーがクリックする事で広告料金が発生するパフォーマンス型広告サイトです。

まだまだ色々な会社がいるでしょうし、リードジェネレーションの各部位(例えばSEO)やクオリフィケーション単体、その部位を専門的に行う会社なども多いでしょう。Googleなどの検索連動型広告がその一例です。 単体で行う会社を複数使えば、 単体で行う会社はその専門分野で緻密なサポートをしてくれるでしょうから、かゆいところに手の届くリードジェネレーションが可能です。
しかしリードからセールスに向かうプロセスと、見込み客データの管理は集中的に行わないと、データの移し替えやプロセスの手順が多くなります。無駄な作業となってしまう可能性がありますから、一連のサービスを提供している会社にアウトソーシングするのも1つの方法です。
どちらがいいかは、企業の規模等によるでしょう。しかし、これらはすべて手段です。 何にでも言える事なのですが、マーケティングは特に目的を見失いやすい業務です。大企業でもいつの間にか手段と目標が入れ替わっていたりするのをよく目にします。しっかり目標を設定した上で、リードジェネレーションを行ってください。

ノヤンのつぶやき

ノヤン リードを管理する事の重要性や、その難しさは日本も米国も同じじゃな。ただ、彼らは学習曲線の15年先を歩いているのかもしれんの。
言語、法律、商慣習、意思決定プロセスなど、米国と日本で根本的に違うことも多いのじゃよ。それがEloquaやその競合であるMarketoが日本に進出してこない理由なんじゃ。
この「違い」を踏まえたノウハウやツールが、この国では独自に必要なんじゃろうな。

Shunsuke Ueno プロフィール
単身アメリカに渡り、20年間インターネット、モバイルなど常に時代の先頭にたったマーケティング活動を行う。マイクロソフト社、インテル社、Verizon社など、大手企業のモバイルマーケティング戦略を手掛ける。現在はフリーランスとして活躍中。