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2011.09.26

米国BtoB企業のモバイル普及率とは?

text:Shunsuke Ueno

日本の企業でも急速に導入が進むスマートフォンやタブレット端末。今回は、米国ビジネスシーンにおけるモバイルの普及状況とその活用法をご紹介します。

最近日本でもタブレット端末やスマートフォンを導入する企業が増えてきたと聞きます。とても便利な道具ですので、どんどん普及するといいですね。こういった効率を良くするものは、無ければ無いで何とかなるものなのですが、一度使い始めると片時も手放せない必需品となるのが不思議です。

実は米国では、もともとスマートフォンの始祖とでも言うべきブラックベリーが広く普及していました。ブラックベリー自体のスマートフォンへの進化もあり、iPhoneやアンドロイドなどの最新型のスマートフォンへの移行はどんどん進みつつあります。

ブラックベリーはカナダのResearch In Motion社(以下、RIM社)の電子メールとカレンダーなどの電子メールで管理できる機能に特化して進化してきた携帯電話で、スクリーンの真下にキーボードがあるのがおそらく最大の外面的な特徴でしょう。内面の特徴としては、RIM社のサーバーを導入する事によって電子メール配信から端末内のソフトまでを集中的に管理する事ができるようになることでしょう。米国ではそれなりのサイズの企業でホワイトカラー職(事務職)につけば、大抵は社用(業務用)の電話が会社から支給されます(または電話購入費用が支給される)ので、それが普及率を押し上げたのだと思います。また「音声電話機能付き電子メール用端末」としても優れていますので、一回でも使った事のある人なら個人用の電話もスマートフォンにする事が多く、個人客にも広く普及しています。夫がスマートフォンを再購入し、奥様が古い方のスマートフォンを使い始め、見事にはまるのが多いとも聞きます。オバマ大統領もブラックベリーユーザーだったそうで、大統領就任後にも使い慣れたブラックベリーを使うとか使わないとかでもめたとか。

また米国では転職はごく普通の事で、営業職の場合は、お客様との繋がりを持ってくる事を期待されています。携帯電話の公私混同を日本のように厳しく言われる事は無いので、個人の電話番号をお客様との繋がりを保つのに使い、そもそも社用携帯電話を持たず個人の電話を公私兼用で使う事も非常に多く見られます。私も個人の携帯電話を公私兼用でずっと使っています。そのような背景から、営業職などを中心に自分の最大の武器であるお客様との繋がりを保つために最も役に立つ道具としてスマートフォンが求められ、発展してきたのは必然とも言えるでしょう。

ちなみに上記のブラックベリーですが、急速にシェアを失っているようです。これはRIM社が想定した使い方をしているうちは(RIM社のサーバーなど)ブラックベリーはとても便利なのですが、その仕様から外れた使い方をするのが非常に難しいからです。最新のスマートフォンの大きなコンセプトの一つはユーザーが使い方を選択できることですから、ブラックベリーのコンセプトのとは相容れにくくなっています。あらかじめ決まっている使い方から、白紙の状態(使い方を選べる)に、コンセプトの世代交代が起きているのでしょう。

そんなコンセプトで出てきたスマートフォンですので、猫も杓子も飛びついている状態です。今年6月の端末数データですと、端末総数2億3千4百万に対して、ブラックベリーは約8%(1,800万台)、iPhoneが9%、アンドロイドが13%、Windowsは2%。全体の32%がスマートフォンを使っている事になります。

このうちどこまでが業務用電話なのかは分かりませんが、労働省のデータによると就労人数は約1億4千万ほどだそうで、仮にその半数がホワイトカラー、そしてその半数が業務用電話を支給されているとすると、業務用携帯電話市場は実に3千5百万台の巨大な市場である事が分かります。ブラックベリーは大体が業務用電話でしょうから、業務用電話スマートフォンは1700万台ほどになるのでしょう。

タブレットですが、これもコンセプトの世代交代そのものでしょう。
プレゼンなどの武器として非常に有効であるため、米国では営業職を中心として急速に普及しており、iPadをプレゼンに持ってくる事がある種のステータスになっているようにも見えて面白いです。iPad以外は廉価コピー品のように扱われがちで、流行っているとは言えません。

次回は、急速な普及率により大きな変化を遂げたモバイルマーケティングについて
私のケーススタディを交えながら紹介します。

ノヤンのつぶやき

ノヤン

本当に数年前までの米国のビジネスシーンではブラックベリーは必需だったんじゃよ。恐らく今でもブラックベリーユーザーは多いのじゃが、やっぱりiPhoneは強いの、そしてiPad・・・。
米国と日本ではモバイルの進化も事情も違う部分もあるんじゃが、ビジネスシーンでの利用では共通項の方が多いかもしれんの。

Shunsuke Ueno プロフィール
単身アメリカに渡り、20年間インターネット、モバイルなど常に時代の先頭にたったマーケティング活動を行う。マイクロソフト社、インテル社、Verizon社など、大手企業のモバイルマーケティング戦略を手掛ける。現在はフリーランスとして活躍中。