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2006.10.23

ショッピング?それともソーシャルネットワーキング?ソーシャルショッピングを試してみませんか?[ニューヨークタイムズ紙]

text:Hiroko Hatanaka

“MySpace.com”というサイトをご存知ですか?今、アメリカの若者の間で一番ホットなソーシャルネットワーキングサイトの一つといわれています。

東京で開催されたルース・スティーブンス氏のセミナーには、多くの方が参加されたことでしょう。今回は彼女のレクチャーはひと休みして、最近のウェブショッピングの画期的なトレンドレポートをお届けします。

“MySpace.com”というサイトをご存知ですか?今、アメリカの若者の間で一番ホットなソーシャルネットワーキングサイトの一つです。先日、McDonald'sがこのサイトを「ミッドナイト歌謡コンテスト」の宣伝に活用していました。“MySpace”は、閲覧とブログ作成の両方ができるように設計されているサイトなのです。

ウェブ界では上昇気流にあるソーシャルネットワーキングの波に乗じた新種のウェブサイトが注目され始めています。9月11日発行のニューヨークタイムズ紙の掲載記事によると、
eコマースの新しいカテゴリの最前線は、「ソーシャルショッピング」と呼ばれる“ThisNext.com”などのサイト、“Kaboodle.com”、“Wists.com”、“StyleHive.com”などひと握りのサービスで、これらは、人気のオンラインを利用したショッピングとソーシャルネットワーキングの一体化を試みています。このようなサイトでは、利用者を一同に集め、ショッピングのアイデアを交換させることによって、“MySpace”の流行の波に乗ることを期待しています。またこれらサイトも“MySpace”同様、閲覧とブログ作成の両方ができ、ショッピングに関する技術的な工夫も盛り込まれています。

ソーシャルショッピングは、オンライン販売業者や利用者の抱える常習的な問題を解決するのにうってつけの最新型ソリューションです。自分の買いたい商品がはっきりしない買い物客は多いのですが、このような人々は、“Macy's”、“Amazon”、“Wal-Mart”など大手業者のショッピングサイトではその商品が絶対に見つからないことも知っています。オンライン販売業者はこれをよく「製品発見」問題と呼んでいます。

“ThisNext”のCEO、ゴードン・グールド氏はこう言っています。
「オンラインショッピングをより正確に表す言葉は、購入です。なぜなら、オンラインショッピングは、買い物指向がより強く、特定の目標が定められているからです。たとえば、あなたがショッピングサイトでプラズマTVを探していたとしても、自分が興味の持つ商品が他にもあるかもしれないという既成概念を持ちながら探すことは稀でしょう。私たちの会社では、全体をひと括りにするネット小売業者にはナンセンスと思われるような、ターゲット製品以外の商品も人々に紹介していきたいと思っています。」

ソーシャルショッピングの登録ユーザーは、見つけたアイテムに関する情報を集めておくために自分専用のページを作成するのが普通です。しかし、他のサイトで見つけた商品について説明を書き込んでウェブアドレスを投稿するだけでなく、これらのアイテムのイメージの画像を取り込んだ自分自身のショッピングリストを投稿できるソフトウェアツールをダウンロードすることもできます。

ソーシャルショッピングサービスでは、このツールをダウンロードした後で、例えば家具など、商品を探してサイトを訪れた人々から広く閲覧され、そのアイテムの画像を投稿することができます。

ソーシャルショッピングを扱うサイトは、この勢いが広告収入を増やすきっかけになると期待しています。サイトが十分に魅力的であれば、ビジターがもっと良い宣伝文句と共に業者のもとに戻ってくるからです。“ThisNext”などのサイトでは、ユーザーは業者といわゆる「アフィリエイト」の関係にあります。これは、自社以外のサイトで製品が紹介された結果この製品が売れた場合、業者が売り上げの数パーセントをコミッションとして支払う契約です。

また、“ThisNext”は、ユーザーが自分の個人的なブログページに画像やビデオなどをサイトから転送する機能も提供しています。グールド氏は、何より企業が、早期マーケティング計画や製品モニターに参加するような影響力を持つ顧客を発掘することに、サイトは役に立っており、最終的には大幅な収益増加にもなると話しています。
「もしあなたがハワイコナのコーヒー豆を買うときに頼りにされる人だとしたら、そういう人こそ私たちが見つけたいお客様なのです。多方面に少しずつ詳しいという人ではなく・・・」とグールド氏は言います。

多くの小規模ビジネスの経営者にとって、ネット市場で競争に参加する方がオフラインよりはるかに簡単なのです。一般のオフライン市場では、潤沢なマーケティング資金を持つ巨大企業が市場を独占しているからです。

先月の終わりごろ、オンラインショッピングをしたある買い物客が、“Amenity Home”の製品の一つである400ドルのベッドカバーの写真を“ThisNext.com”(最近登場したウェブサイトで、見つけるのが難しい商品を探している自立心旺盛な買い物客の仲介を強みにしています。)に投稿しました。他の買い物客がこの写真を自分のブログページにコピーしたことで、“Amenity Home”では自社製品をアピールでき大歓迎だったとか。

小売業者各社のサイトやその他のあらゆる場所で高まっているカスタマーレビュー人気は、顧客が今後、積極的に買い物をするようになり、他の人から紹介されたおすすめの商品を検討するようになる傾向が強くなる、とオンラインのコンサルタント業者、Jupiter Research社は言っております。これは、“ThisNext”をはじめとするソーシャルネットワーキングサイトの運営の基本となっています。

Hiroko Hatanaka プロフィール
NY在住。NYの大学でダイレクト・マーケティングを学び、エイボンや英国資本の高級トイレタリーなどのマーケティングを手掛ける。現在はニューヨークの広告&PR代理店であるIWグループに所属。