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2007.03.23

マーケティングの戦略の要諦!それは「戦闘教義」の確立にあり!

ベッカムもチンギス・ハーンも湾岸戦争も、「戦闘教義」という勝ちパターンが確立していたのです!

今回のマーケティング講座ではいよいよ本質中の本質である「戦闘教義」を説明しようと考えておるんじゃ。
ただし、こればっかりは省略するわけにもいかんので2回に分けてやることにするわい。
なにしろ、この戦闘教義とはマーケティング戦略の根幹を成す考え方で、全てのマーケティングはこれのためにあると考えても良いくらいなんじゃよ。
さて、そもそも戦闘教義とはなんじゃろ?

campusにも書いてある通り、この「戦闘教義」とは軍事用語で、バトル・ドクトリンと訳されることが多いんじゃ。「得意な戦法」とでも言えば判りやすいかの。

ギリシャでアレキサンダー大王の父フィリッポス2世が考案したマケドニア・ファランクスと呼ばれる戦法などは典型的な戦闘教義で、この戦闘教義を磨きに磨いた軍団を率いた息子のアレキサンダーはマケドニアよりはるかに大国であったペルシャを滅ぼし、遠くインドにまで遠征して世界地図を塗り替えたんじゃ。ローマ帝国のレギオンも、チンギス・ハーンの左・右・中央からなる騎馬3軍団編成もこの戦闘教義なんじゃ。古来強い軍隊は多くの戦法を持っていたわけではなく、たったひとつの「得意な戦法」で何十年も勝ち続けた例が圧倒的に多いんじゃよ。これは現代でも同じじゃの。

現代の最強の軍隊とは言うまでもなくアメリカ軍じゃろ。彼らは常にアメリカの外で作戦しておるから基本的に攻撃に軸足を置いた戦闘教義を持っておるんじゃ。
先ず航空機で敵の航空基地や格納庫、航空機などの航空戦力を徹底的に叩く。これは敵の空からの攻撃から味方の艦艇や地上軍を守るためなんじゃ。次に空からの脅威が無くなった沿岸に大型艦艇が接近し、海上から徹底的な艦砲射撃を加える。近年では艦載ミサイルを使うことが多いが、これで敵の陣地や砲台、補給路や弾薬庫などを徹底的に破壊して反撃力を可能な限り削いでしまうんじゃ。そして満を持して地上軍を投入し、広範囲を支配下に置く。このアメリカ軍の戦闘教義は第2次世界大戦のヨーロッパでの対ドイツ戦や太平洋の対日本戦で確立され、以後、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と変わることなく使われている戦闘教義なんじゃ。

また、戦闘教義の例はスポーツで多く見ることができるんじゃ。
バルセロナ・オリンピックの柔道で金メダルを獲得した古賀選手は「一本背負い」、吉田選手は「内股」だけを得意技にしていたんじゃ。
彼らの戦い方は、日頃のウェイトトレーニングから稽古、メンタルトレーニング、そして試合当日のコンディショニングまで、この得意技を仕掛けるためだけに全てを計算して進められたし、相手も十分にそれを判っていながらどうしても防ぐことが出来なかった。「得意技」の持つ切れ味とはそういうものなんじゃ。

野球でも8回、9回を守れる強力な抑えのエースがいるチームの場合、早いタイミングで先制点を取り、7回までを2〜3人のピッチャーで繋いでリードを守り、8回の守備から守護神を出す。これが勝ちパターンであり、そのチームの戦闘教義となる。当然その抑えのエースが引退したり他のチームに移籍してしまい、それに代わる抑えのエースを確保できなければそのチームは戦法を大きく変えざるを得ないんじゃ。もうこの得意技は使えないからの。

サッカーでも同じことじゃよ。ベッカムが全盛期だった頃のイングランドはとにかくボールをベッカムに集めて、ベッカムが右サイドを突破して正確なクロスを上げる。ゴール前にはそのクロスに合わせる選手が2人以上いるようにすること、が戦闘教義だったんじゃ。じゃからその時の選手選考はこの戦闘教義を最も良く実現できることを基準に選ばれているんじゃ。つまり中盤の選手は相手のディフェンスがベッカムにプレッシャーを集中できないようにしなければならないし、フォワードにはゴール前の競り合いに負けずにヘディングシュートを決められる強くて長身の選手を入れておかなければならない。つまり選手選考から日頃のトレーニングメニュー、試合当日の先発メンバーの決定までの全てがこの戦闘教義を実現するためという一点に集約されていなければならないんじゃよ。

そういう意味では戦闘教義はその日によって変化する「戦術・陣形」とはステージの異なるものなんじゃ。
戦闘教義(バトル・ドクトリン)が決まれば、それを実現するための戦術・陣形(コンバット・フォーメーション)が組まれる。この戦術・陣形はその時の地形や季節、敵味方の戦力比などによって変形はするが、それは与えられた条件下で戦闘教義を最も効率よく実現するためなんじゃ。

実は成功した企業の多くは、この戦闘教義、つまり「勝ちパターン」を確立した企業なんじゃ。
例えば、住宅展示場にモデルハウスを置いているいくつかの大手住宅メーカーなどもたったひとつの戦闘教義で勝ち続けた企業の代表例なんじゃ。
彼らは展示場のモデルハウスを定期的に格安で売り出すんじゃ。中古だから、という理由で例えば2000万円の家を500万円で売り出すんじゃが、その抽選キャンペーンを折り込みチラシを使って大量に告知するんじゃ。

大手住宅メーカーのモデルハウスが500万円で手に入るとなれば家を建てたいと考えていた人からあっという間に数百件の申し込みが集まる。その申込書の中には「土地は持っているか?」「面積は?」「地目(土地の種類)は?」などのアンケート項目があり、住宅メーカーはそれらの情報から有望度を選別し、さらに住所情報から担当営業所に割り振って、一斉に絨毯爆撃のような営業を開始するんじゃ。営業のトークも決まっていて「残念ながら抽選には外れましたが、その代わり抽選で外れた人向けに特別なサービスを用意しております・・・」というものなんじゃ。
このワンパターンの得意技で、ダイワハウス、積水ハイム、ミサワホームなどの住宅メーカーは10年以上も快進撃を続けて巨大化したんじゃ。

では次回はこの戦闘教義のポイントと弱点、戦闘教義が使えなくなった企業が陥る悲惨な状況を紹介しよう。お楽しみに。

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