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ホーム > 講座 > ノヤン先生のマーケティング講座 > IMCの生まれた少し悲しい裏事情

2007.11.26

マーケティングの代表的なコミュニケーション手法であるIMC。この考え方が生まれたのには、こんな背景がありました。

今日は、「IMC」の話をしようかの。
「IMC」はIntegrated Marketing Communicationの略での、日本語で表現すると「統合型マーケティング・コミュニケーション」という意味なんじゃ。1980年代に出てきた概念で、日本では電通がこれを広めようと頑張っていたんじゃな。一般には、TV・ラジオ・雑誌・新聞等のマスメディアだけでなく、電話、FAX、インターネットなどの様々なメディアを統合してマーケティング・コミュニケーションの効果を最大化しようという考え方なんじゃが、これが出てきた理由はあまり知られておらんじゃろ。

話は1980年代初頭のアメリカの大学から始まるんじゃ。
アメリカという国はしょっちゅう戦争をしておる国じゃが、アメリカ本土が戦場になったのは南北戦争が最後なんじゃ。150年も国内で戦争のないアメリカは、供給過剰なマーケットを背景にしてマーケティングが急速に発展したんじゃな。もちろん各大学でもマーケティングの講座を設け、それぞれ先進的な研究や教育を行ったんじゃ。その中でエベレット・ロジャースやセオドア・レビットなどキラ星のようなマーケティング学者が出現したんじゃ。

しかし、アメリカという国は何事も「やり過ぎる」という悪い癖があるんじゃよ。マーケティングもやり過ぎちゃったんじゃな。つまり各大学で教えるマーケティングをやたらと細かく分類し、「広告」「PR」「セールスプロモーション」「ダイレクトコミュニケーション」などを専門的に教えるようになったんじゃ。ニューヨーク市立大学のダイレクトマーケティングの講座なんかはダイレクトメールに関しては非常に定評があったんじゃ。

しかし、こうして専門特化した結果、それぞれの学生はそれぞれの専門家にはなるんじゃが、他のマーケティングチャネルのことは全然知識の無いまま企業に採用されるようになったんじゃ。そして当然自分の専門分野が他のものより優れていると主張して予算の獲得合戦を繰り広げるようになったんじゃな。

中でも広告分野は最も多くの学生を輩出したので、企業の中で宣伝広告費が突出して多くなり、マーケティングの予算の大部分を占めて、他のPRやセールスプロモーション、データベース構築などはわずかな残りの予算を奪い合うようにまでなったんじゃ。

P・コトラーはこうした現象を「1Pマーケターが増えてしまった」(4Pの中の1Pしか考えない)と嘆いているが、その一方では、そういう現実を作ったのは我々マーケティングの教師に責任があるとも認めておるんじゃ。

そこで1980年代になって出てきたのがこの「IMC」なんじゃ。
学生は最初から広告、PRなどのコミュニケーションのプラットホームを選択するのではなく、それぞれの役割や特徴を学び、その最適な組み合わせを考えるようにカリキュラムが進化したんじゃな。素晴らしいのぉ。

しかし、この偏った状況はまだしばらく続くじゃろう。なんせ1970年代、80年代に大量生産したマーケターがまだ企業内で大きな力を持っているからのぉ。
しかも日本ではまだここまでも達していないんじゃ。日本でも、BtoBでありながら、広告やブランディングだけしか興味を示さず、自社のデータベースやイベントは営業のアシスタントに任せきり、という人がマーケティングマネージャーだったりするんじゃ。これは嘆かわしいことなんじゃよ。

マーケティングマネージャーたるもの、実際に製品やサービスが売れるところまでを可視化し、あらゆるチャネルやプラットホームを駆使してマーケティングを設計して欲しいもんじゃの!

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