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2008.01.25

ライフタイムバリュー(LTV)の項目選びは最重要課題

LTV

マーケティングは多角的な視野を持たなければ、せっかくの大きなマーケットをみすみす逃してしまうことになりかねません。

今日はライフタイムバリューの話をしようかの。
先ず、ライフタイムバリューの説明をしなければいかんの。
ライフタイムバリュー(以下LTV:Life Time Value)とは日本語では「顧客生涯価値」と訳されるんじゃ。つまり単発的な売上ではなく、その顧客が生まれてから死ぬまでの間にもたらしてくれる価値のことを指すんじゃ。

BtoCの世界で百貨店やアパレルメーカー、カーディーラーなどが顧客データ管理にさまざまな工夫をこらすのは、このLTVを獲得することが目的なんじゃよ。これは洗練された顧客データベースが無ければ絶対に獲れない「個」のシェアなんじゃ。
じゃからこのLTVはダイレクトマーケティングの根幹を成す考え方なんじゃ。もちろんBtoBでも応用しなければならない考え方なんじゃ。
つまりこれは「シェア」に対する考え方の大転換なのじゃよ。

「シェア」とは「市場占有率」のことなんじゃが、この市場占有率の「市場」とは「ある年度」の「あるエリア」であることが普通なんじゃ。例えば富山県で昨年10万台の車が売れたとして、その中でトヨタ車が4万台であれば、昨年の富山県の自動車販売におけるトヨタのシェアは40%ということになるんじゃな。

とにかく自社の地域シェアを1%でも引き上げれば、それがイコール売上げ増に繋がるので、そのシェアを獲得するためにはマス戦略が有効じゃということで、メーカーは全国紙やテレビなどでコマーシャルをバンバン展開し、一方販売を担当する地域ディーラーは地方新聞にせっせと折込チラシを入れたりFMラジオのスポンサーになったりして、地域シェアを確保しようと躍起になっているんじゃよ。

これに対してLTVとは1人の人間、または世帯を市場として捉えるんじゃ。期間は一生涯または10年単位の長期間じゃな。つまり1人の人間が生まれてから死ぬまでに「自動車関係に使うお金」全てをLTVと呼ぶんじゃよ。
高校卒業時に免許を取得し、親から半分お金を出してもらって中古車を買った。その後73歳で亡くなるまでに12台の新車を購入し、子供のために中古車を2台購入し、27回の車検を受け、100本のタイヤと16個のバッテリーを購入し、15回保険に入り、自宅に車庫を作った・・・。これらのお金全てが1人の人間の車関連のLTVなんじゃ。

ここまで説明すればわかるじゃろう。これからは地域のシェアではなく、このLTVの中のシェアを獲得しなければ生き残れない時代になったんじゃ。そして地域のシェアと違ってこのLTVのシェアはマスメディアでは獲得はできないんじゃよ。

家族構成、趣味、経済状態、などその時々で変化する個別の状況を把握してアプローチする必要があるからなんじゃが、そのためにどうしても顧客データベースが必要なんじゃ。名前や職業だけでなく家族構成、趣味、住まいの状況、駐車場の有無、ペットの有無、などを入力して、検索可能な状態に管理しておけば、必要なコミュニケーションを実現することができるんじゃ。
これが「One to Oneマーケティング」とも呼ばれる「データベースマーケティング」なんじゃよ、すごいじゃろ。

ところが問題はこのLTVにカウントする項目の選定なんじゃ。これを間違えると大きなマーケットを喪失することになるんじゃ。例えば今はロードサイドで普通に見られる中古車販売店じゃが、なぜこんなに増えたか?タイヤ専門店やカー用品の専門店が多いのも同じ理由なんじゃよ。
つまり、カーディーラーのLTVの項目の中には「新車」しか入っていなかったんじゃ。

新車を買うときには当然、今乗っている車を下取りに出すから、普通に考えればカーディーラーは最も潤沢な中古車の仕入れルートを確保しているんじゃ。日本ではメーカーの正規ディーラー以外から新車を購入するのは難しいからの。でもかつてのカーディーラーは新車を販売することだけを考えていたので中古車の流通には興味がなかったんじゃ。

今、ほとんどの損害保険会社の売上の柱は自動車保険なんじゃ。しかし、その自動車保険の中でカーディーラーの販売シェアは意外なほど低いんじゃよ。新車を買えば当然保険に入るじゃろう?じゃから新車の販売スタッフにとって最適のクロスセル商材のはずなんじゃが、カーディーラーの営業はこの保険の販売にもあまり興味が無かったんじゃな。カーディーラーのLTVの項目に「保険」が追加されたのは最近なんじゃ。
こうして本来なら圧倒的な競合優位性を持っていた中古車や自動車保険の市場をカーディーラーは失ってしまったんじゃな。

実はこれはBtoBでも多く見られる現象なんじゃよ。
例えばインターネットサービスプロバイダー(ISP)はインフラの提供だけを考えているんじゃが、インターネットにアクセスすれば当然セキュリティという問題が出てくるんじゃ。セキュリティを確保するのはアプリケーションだけではなく、業務フローや教育研修などが大きい要素なんじゃよ。
これも巨大なマーケットなんじゃが、ISPでこうしたところをしっかりサービスメニューに持っているところは以外に少ないんじゃ。

LTVの項目から漏れたものには企業の関心が届かないんじゃな。その結果美味しいマーケットをとられて悔しい思いをしている企業は本当に多いんじゃよ。

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