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2008.04.18

マーケティングで使われる顧客分析手法の代表選手「RFM分析」

「RFM分析」は意外と身近で使われています。あなたも知らないうちに分析されているかもしれません。

今日は「RFM分析」の説明をしようかの。
マーケティングでよく使われる分析としては「ABC分析」(パレート分析)とこの「RFM分析」が代表格なんじゃ。
この「ABC分析」は例えば「よく動く商品」(売れ筋)と「動かない商品」(死に筋)を選別する目的で在庫分析などに使われることが多いのに対し、「RFM分析」は顧客のセグメントに使われることが多いんじゃ。

BtoBでもBtoCでも使われるんじゃが、判りやすいのでBtoCモデルで説明しようかの。実際に百貨店などでPOSと連動したポイントシステムなどを導入している企業は、その購買履歴データをこの「RFM」で分析しているところが多いんじゃ。もっと言えば通信販売でこの分析手法を実践していない会社はほとんどないじゃろ。それ程にスタンダードなんじゃよ。
この「RFM分析」で何を分析するのかというとじゃ、簡単に言えば「競合から守らなければならない良いお客様」を探し出す分析手法なんじゃよ。

  • 【Recency】(リーセンシー:最新購買日:最後にいつお買い上げいただいたか)

  • 【Frequency】(フリークエンシー:購買頻度:今年何回ご利用いただいたか)

  • 【Monetary】(マネタリー:購買金額:今年いくらお買い上げいただいたか)

このそれぞれの頭文字を取って「RFM分析」と呼ばれているんじゃ。
この3つの要素をそれぞれ5から7段階にランク付けをして、その組み合わせで最も大切にすべきお客様を探すんじゃ。

【Recency】の場合は1ヶ月以内に購入していれば5、2ヶ月以内なら4、1年間購入がなければ1という感じで採点するんじゃな。

【Frequency】の場合はその店や商材で採点のやりかたを工夫する必要がある。BtoCの商材でも買い替え期間の長いものもあるからの。例えば自動車は5年から7年の買い替え期間があるし、生鮮食品を扱っているスーパーなら毎日来店するのが普通かもしれん。百貨店はこれが混在するからややこしいんじゃ。デパ地下と呼ばれる地下の食品売り場や惣菜の店などの来店頻度は当然高いし、婦人服ならぐっと下がるし、家具売り場などになれば数年に一度しか購入しない顧客も多いんじゃ。この辺のバランスを取るのがマーケティング担当者の「腕の見せ所」なんじゃよ。

では5段階の例でどう見るかを説明しようかの。
R・F・Mの3つ全てが最高の「5」のお客様は「つい最近もお買い上げいただき、頻繁に来店してくれて、しかもたっぷりとお買い上げいただいているお客様」ということなんじゃ。つまり何としても競合から守らなければならない最上級のお客様なんじゃな。

「5・5・1」はどうかというと、「つい最近もお買い上げいただき、頻繁に来店してくれるが、お買い物は小額しかしてくれないお客様」ということになり、これは多くの場合近所の人なんじゃな。判りやすいのは銀行の利用客をRFMで分析した場合なんじゃ。「5・5・1」になるのはほとんどが近所の商店の人なんじゃ。両替や売上の一次預かりなどで頻繁に来店して利用してくれるが、大型のローンや決済には使わないし、社員が多いわけではないので給与振込みなどもないんじゃ。じゃから売上への貢献は少ない(Monetaryが低い)のじゃよ。

また、もし3つの項目全てが「1」であれば、「この1年間ほとんど来店していない、過去に1〜2度しか買っていない、それも小額のものだった」というお客様なんじゃ。この人には輸送費を掛けてまでダイレクトメールを送ったり、ましてや高価で配送費も高いカタログを送る価値は無いと言えるじゃろう。

こうした分析ができるので、多くの通販会社ではこの「RFM分析」をカタログ送付の足切りに使っているんじゃ。例えば30万人の顧客リストを持っていたとして、その中から「最も売り上げに影響を与えない10万人」をこの分析手法でリストアップして、その人たちへのカタログの送付を止めることで、カタログの発送数を20万人に抑えて経費をコントロールしておるんじゃ。通販会社の場合、ビジネスの構造上、カタログの制作費や発送コストが経費の大きな部分を占めるんじゃ。じゃからどうしても保有しているリスト全件にカタログを送るわけにはいかず、こうした足切りが必要なんじゃな。

しかし、こうした「全項目が1」というような極端な例は判りやすいのじゃが、そこまで極端ではない数値をどう分析してセグメントし、手を打つかが問題なんじゃな。

例えば5段階評価の結果が「1・1・5」としようかの。つまり「ずいぶん前にたった1回だけ来店し、高額なものをお買い上げいただいたお客様」はこうなるんじゃ。これはいわゆる「お金持ちの一見さん」の場合が多く、恐らくもう来店することは無いじゃろう。あるいは、そのたった1回の利用で買った商品やサービスに失望したのかもしれんし、これを買った直後に経済的な事情が大きく変わったのかもしれん。いずれにしても、コミュニケーションする価値は低いと言えるじゃろう。

ならば「1・5・5」はどうじゃろう?これを探すことは、守り抜かなければならない「5・5・5」を探し出すのと同じくらい重要なんじゃ。この意味は「過去に何度も来店してくれて、そのたびにたっぷりお買い上げいただいたが、最近はめっきり来ない」というお客様なんじゃ。理由はもちろんいくつか考えられる。

  • 「遠くに引っ越した」

  • 「競合にとられた」

  • 「何か不満があって怒っている」

  • 「亡くなった」

などじゃな。いずれにしてもこの優良顧客がなぜ来店しなくなったのか、その原因を確かめないと大損害なんじゃ。
顧客を守るということは、「奪われたお客様を取り戻す」ことでもあるんじゃ。以前アメリカで話題になった長距離電話の契約の獲得合戦も、裏ではこうした顧客分析を行い、セグメントごとに細かい優待価格を設定して科学的に戦っていたんじゃよ。

この「RFM分析」で顧客データをセグメントしてポジティブに使っている代表例が、今では世界中の航空会社が導入しているマイレージプログラムじゃろうな。これは「RFM」の中の「F」(Frequency:購買頻度)だけを使うので「フリークエンシープログラム」とも呼ばれておるんじゃ。航空会社だけではなく、お店で購買ポイントととして使う場合はFrequent Shoppers Program(FSP:フリークエント・ショッパーズ・プログラム)と呼ばれておるんじゃ。これがいわゆるポイントカードじゃよ。

今では航空会社の定番になったマイレージプログラムは、1981年にアメリカの大手航空会社のアメリカン航空(AA)が「アドバンテージプログラム」という名前で始めたのが最初なんじゃ。

自社の収益の80%をもたらしてくれている上位20%の優良顧客を選別し、競合から守るために始めたと言われておるんじゃ。アメリカン航空はこのマイレージプログラムを導入して10%以上も売上を伸ばしたんじゃよ。

しかし、このRFM分析にも弱点はあるんじゃ。それはの、「買った・利用した」という過去の購買履歴から顧客を量的に評価・分析する手法なので、初めて来店して中間価格帯の商品をお買い上げいただいたお客様は自動的に「5・1・2」または年間の購買金額で見ると「5・1・1」となり、どちらにしてもかなり低い評価になってしまうんじゃよ。じゃから各項目の重み付けには十分な注意が必要なんじゃ。
まっ、マーケティングディレクターの腕が試される仕事じゃの。

BtoBではもちろん個人ではなく企業を対象にするんじゃが、基本は同じじゃよ。例えば今、多くの銀行が客先に営業を訪問させるのをやめてオンラインサービスに切り替えておるんじゃが、あれもこうした顧客分析で、中小・零細規模の顧客を毎週訪問しても売上が伸びないことを発見して、そこを人手が掛からないオンラインサービスに切り替え、人的リソースは大口顧客に集中させる方法を採用しているからなんじゃ。

また、販売代理店を管理するPRM(パートナーリレーションシップマネージメント)では、販売代理店をランク付けする仕組みとしてこのRFMを採用しているモデルもあるんじゃ。インセンティブとして販売奨励金を出すからの、そこの仕組みはマイレージとおんなじなんじゃよ。

じゃからBtoBのマーケターもこの「RFM分析」をしっかり学ぶ必要があるんじゃ。

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