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2009.06.19

【デマンド・ジェネレーション】と呼ばれるBtoBマーケティングの本流

ようやく日本でも注目され始めた、「デマンド・ジェネレーション」。BtoBマーケティングの中でも、一番重要で奥が深い、このデマンド・ジェネレーションと、その3つのプロセスを解説します。

みなさん、お元気かの?ノヤンじゃよ。

さて今日は、最近ようやく日本でも耳にするようになった「デマンド・ジェネレーション」という言葉の話をしようかの。
これは、3年程前からアメリカで使われだしたBtoBのマーケティング用語で、「営業案件の創出」という意味なんじゃ。「デマジェン」とか「デマンジェン」などと省略して使われたりしているんじゃよ。

この「デマンド・ジェネレーション」は、マーケティング活動を経て営業部門へホットリストを渡すまでの活動全般を指すので、範囲がとっても広く、展示会やセミナー、Webやメルマガ、リスティング広告、DM、テレマーケティング、メールマーケティングなどはすべてこの中に入るんじゃ。
それを大きく分類すると以下の3つのプロセスから成っておるんじゃよ。

  1. 見込み客獲得(リードジェネレーション:Lead Generation)

  2. 見込み客育成(リードナーチャリング:Lead Nurturing)

  3. 見込み客の絞込み(リードクォリフィケーション:Lead Qualification)

つまり、今まではこの3つに分けて説明されていた、BtoBの営業案件創出のプロセスをひとくくりにした言葉なんじゃな。
もちろん、こんな言葉は聴いたこと無いわい、という人もおるじゃろ。新しいマーケティング用語じゃから、辞書を引いても出てないんじゃ。でも、日本でもBtoBマーケティングの世界では近い将来必ず市民権を得る言葉じゃから、覚えておいて損は無いとワシは思うんじゃよ。
では、なぜこの「デマンド・ジェネレーション」が注目されたのか、という点を説明しようかの。

SFA型のCRMを導入した企業をイメージしてもらいたいのじゃが、よく観察すると面白い事実が浮かんでくるはずじゃ。
それは導入したライセンスの数なんじゃ。
SFAと呼ばれる営業支援ツールは、そもそも営業案件を可視化しながら進捗(プロセス)を管理(マネージメント)するためのツールなんじゃ。
SFAがパイプラインと呼ばれる理由はそこなんじゃ。つまり、個々の営業案件を、透明のパイプに入れて、いつ誰がどの企業の誰に会った、どういうヒアリングをした、提案書を出した、競合はどことどこ、見積書を出した、高いと言われて修正した、受注した(失注した)、という進捗を可視化して管理するためのツールなんじゃ。

じゃから、仮に営業が100人いれば、アシスタントや管理職を含めて120〜200ライセンスを導入するのが普通なんじゃよ。
ところが、多くの企業では営業の数が100名ほどいるのにライセンスを4〜8ライセンスしかオーダーしていないんじゃよ。

これには2つのケースが考えられるんじゃ。
ひとつは試験導入のケース。全社に導入する前に先ずは少人数のチームで試験的に導入し、効果を確認してから全社導入をしようというケースで、SaaS(ASP)タイプなら、アプリケーションやサーバのことを考えなくて良いので、こういう段階的な導入も可能なんじゃな。ある意味とっても合理的な考え方で、これなら問題は無いんじゃ。

ただ、もうひとつのケース、つまりSFAをマーケティングに使おうとして導入した場合は、まず成功しないんじゃ。
そもそも、SFAやSFA型CRMはマーケティングを行うためのツールではないんじゃよ。
見込み客を登録しようとすると、その段階で担当(オーナー)を決めなければならないじゃろう?展示会で集めた名刺やWebからの問い合わせにオーナーを割り振った後、実際に営業を担当するスタッフにオーナーを変更するのはとっても煩雑な作業なんじゃ。
ならばSFA型CRMに「リード」(見込み客)とか「キャンペーン」という機能が無ければ良いのじゃが、中途半端に持っておるので、これを使ってマーケティングが出来ると勘違いして導入するケースが多いのじゃよ。
しかし、SFAではマーケティングは出来ないんじゃ。

展示会やWebや営業名刺などをベースにした特定多数の見込み客を対象に、コミュニケーションを通して「名寄せ・育成・絞込み」をしていくマーケティングと、案件と担当営業を紐付けてリアルタイムに進捗(プロセス)を管理するSFAでは、データの質・量もデータモデルも全然違うんじゃよ。
もちろん利用するユーザーも、営業部門とマーケティング部門では活動が違うし、見たいデータの切り口も、持ちたい項目もまったく違うから、両方に使い勝手の良いデータベースは残念ながら存在しないんじゃ。

先日、CRMの導入コンサルテーションの大手企業であるイーシステムという会社と共催セミナーを開催したんじゃが、このセミナーで同社の三浦取締役がうまいことを言っておったんじゃ。

「SFAには限界がある。SFAの役割は営業案件を可視化して成約率(案件の決定率)を上げるところだが、成約件数(分子)はその分母である案件数を超える事はありえない。SFAは案件を創出する機能は無いから、SFAを導入しても営業案件数は増えない。だからSFA導入が仮に成功しても、営業案件を増やす仕組みを構築しなければ、売上げを増やすことはできない」
と話したんじゃ。まさにその通りなんじゃよ。

そして、その「営業案件を増やす仕組み」こそが「デマンド・ジェネレーション」と呼ばれるものなんじゃ。
最近のアメリカでは、SFA導入企業は、その前工程として営業案件を創出する仕組み、つまり「デマンド・ジェネレーション」をしっかり構築することが常識になっておるんじゃ。

SFAでマーケティングをやろうとした人は気づいておると思うが、BtoBのマーケティング活動で最も重要な機能は、「名寄せ」と「メール配信&リストメンテナンス」なんじゃ。
特に個人情報保護に関する法令などの要求レベルが高い日本では、名寄せができていないデータをマーケティングに使うのはとっても危険なことなんじゃ。DMを発送すれば1人に3通も4通も同じDMが届いてしまうし、電子メールを使えば配信停止に対応できずにクレームを引き起こすからの。
また、担当社員が必死に名寄せをしたとしても、そのきれいな状態を維持するには、メール配信後の不達や配信拒否に対応してリストをメンテナンスする機能や、Webからの資料請求者などの新規登録時の名寄せ機能が強くないと、あっという間にリストがぐちゃぐちゃになってしまうものなのじゃが、SFAはこの辺の機能がてんで駄目なんじゃよ。

では「デマンド・ジェネレーション」の各パートを簡単に説明しようかの。

最初の「見込み客獲得(リードジェネレーション:Lead Generation)」は日本では展示会、Web、営業の名刺交換などがメインじゃな。ここはシステムというより、集めるノウハウや業務フローが必要な部分なんじゃ。
営業さんは自分のデスクにある名刺を中々出したがらないものなんじゃ。まるで自分の個人資産じゃと勘違いしていることもあるんじゃが、それを営業の負担を最小にして、アメとムチでうまく集める仕組みを作るのがノウハウなんじゃな。あまりシステムに頼らない方がうまくいく工程じゃよ。

次の 「見込み客育成(リードナーチャリング:Lead Nurturing)」は日本ではあまり馴染みのない言葉じゃが、BtoBのマーケティング活動では最も重要なパートなんじゃ。
例えば展示会に出展したとして、3日間で3000人分の名刺を集めたとするじゃろう。ブースに立って来場者の対応をした営業が、裏側に「A」とか「☆」とか書いて、翌週からすぐに追いかける名刺があるじゃろ。一般的には1〜2%、集めた名刺が3000枚なら30〜50枚と言われておるんじゃ。営業からみて注文書の匂いがプンプンするってやつじゃの。これらは直ぐに営業が追いかけるとして、残りの2970枚はどうするのか?年間で3回展示会に出展していればこの3倍、過去5年分と考えれば、この15倍、つまり約45000枚の名刺が追いかけられることもなく埋もれておるんじゃ。

もちろんこれ以外にも営業のデスクの中には、過去の名刺交換で獲得した名刺が一人あたり普通3000枚程度は在るものなんじゃ。20人の営業がいる会社なら、60000枚の名刺がデスクの奥で眠っておるんじゃよ。過去の展示会やセミナー、Webからの資料請求などを合計すると10万枚を超えるリストじゃな。
もちろん、この中には競合もいれば営業対象外もいるし、転職した人も倒産した会社もあるから、全部が生きているわけでも、育成する価値が在るわけでもないんじゃが、ワシの経験ではこの中の25〜30%は育てる価値が十分にある見込み客なんじゃ。この場合なら25000〜30000人じゃな。
育成する対象とはこれなんじゃよ。

この社内に埋もれている活用していない見込み客に対して、電子メールやWeb、ダイレクトメール、そしてテレマーケティングなどを組み合わせて、社内の案件が発芽して育つようにコミュニケーションを継続するのが、「見込み客育成 (リードナーチャリング:Lead Nurturing)」なんじゃよ。
データ管理とメールやWebのコンテンツ作りが重要なポイントで、非常にセンスが求められるパートじゃな。

「デマンド・ジェネレーション」の最後のパートである「見込み客の絞込み (リードクォリフィケーション:Lead Qualification)」は、見込み客リストの中から、最も案件になる可能性の高い有望見込み客を絞り込む工程じゃな。極論を言えば、この絞り込んだリストの質がマーケティング活動すべての評価基準になるから、もっとも手を掛けてチューニングを繰り返すべき工程なんじゃ。

基本的には「スコア」と言って、リストの中の一人ひとりの行動をスコアリングすることで絞り込むのじゃが、セミナーの参加、WebのPDFのダウンロード、メルマガのクリック、資料請求などの行動と、その人が所属する企業の業種や規模、部署などのプロファイル情報を、いかにスコアしてクロス集計するか、という高度な世界なんじゃ。
数学的な統計や集合の世界じゃし、多変量解析のエキスパートが活躍する工程でもあるんじゃ。

といっても、今時ここを手計算している人などおらんじゃろう。コンピュータソフトを使うケースもあるし、表計算ソフトでマクロを組む人もいるからの。じゃから、計算の得意、不得意ではなく、どの項目をどうスコアリングするか、という仮説と検証の世界で、つまるところはセンスなんじゃよ。

例えば、ワシのところによくゴルフの会員権のDMがくるんじゃ。恐らく名簿業者から会社役員のリストでも購入して発送しておるのじゃろうが、残念ながらワシはゴルフはやらんのじゃよ。今までもこれからも・・・。
従ってワシのところにきたゴルフ関連のDMは一度も開封されずにゴミ箱に直行することになる。ワシももったいないと思うが、誰よりも辛いのは、そのコストを負担している企業じゃろう。
でも、残念ながらこの会社は会社役員のリストは購入できても、その人が過去にどういうコンテンツに反応したのか、という行動解析のデータは持っていないんじゃ。もし持っておれば、ワシにDMが届くはずがないからの。なにしろワシはゴルフ関連のコンテンツに反応したことは一度も無いから、どうスコアリングしようがDMの発送対象になるはずがないんじゃよ。

データベースマーケティングが進化すると、こうした無駄なコミュニケーションはぐっと減るはずなんじゃ。お互いに時間と資源の無駄じゃからの。
ワシがデータベースマーケティングの素晴らしさを、「科学と感性の両面を併せ持つもっとも素敵な仕事」とよく表現するのは、このデマンド・ジェネレーションの工程の中にある数学的な面と、コンテンツの表現の部分を指しておるんじゃよ。

言うまでもなく、ワシの会社シンフォニーマーケティングは、日本で最初にデマンド・ジェネレーションに特化したサービス会社なんじゃ。
本当にエキサイティングな仕事なんじゃ。
コンピュータテクノロジー、インターネットテクノロジーも理解しなければならず、ややこしくはあるのじゃが、その分、本当に奥が深く、イノベーティブでパワフルなんじゃ。

じゃから、読者のみなさんと一緒に、このBtoBデータベースマーケティングの世界をこれからも学んで行きたいのじゃよ。

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