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2014.08.04

ノヤン先生の米国遠征 第1回

ノヤン先生は5月にBtoBマーケティングのカンファレンスに出席するためにNYとオーランドに出張をしたので、その出張報告を語ってもらいます。
先ずは2年ぶりのNYからスタートです。

今回は2014年5月に訪問したNYとオーランドの話をしようかの。出張報告じゃな。

実は今年の選択はちょっと難しかったんじゃよ。ワシもメンバーになっているダイレクトマーケティングの分野では世界最大の団体DMA(Direct Marketing Association)のBtoB系のカンファレンスが6月上旬にアトランタで、BtoB系の広告とマーケティングのプロフェッショナルの団体であるBMA(Business Marketing Association)のカンファレンスが5月下旬にシカゴで、そして今回参加したSiriusDecisionsのSummitが5月中旬にフロリダ州のオーランドで開催されたんじゃ。
全部に参加すると4週間以上も米国に滞在せねばならず、それはさすがに無理じゃからの。どれにしようか迷った末に、何人かの友人から招待されていたオーランドに行くことに決めたんじゃよ。

このSiriusDecisionsのSummitは水曜の朝から3日間の開催なので火曜日に現地に入ることにして、先ず友人に会う目的で土曜日の夕方にNYに飛んだんじゃ。

言うまでもなくNYは金融と並んで広告の街なんじゃ。
ヤング&ルビカム、オグルヴィ、マッキャンエリクソンなどの世界的な広告代理店の本社がコロンバスサークルやパークアベニューに軒を並べておるし、産業セクターに特化したり、細分化した市場に特化した比較的新しい代理店や、クリエイティブやコンサルティングに強みを持つ代理店はロウアーウェストと呼ばれるチェルシーやトライベッカにオフィスをかまえておるんじゃ。古いレンガの倉庫や、生鮮食品の市場を改装したオフィスは本当にクリエイティブな雰囲気を醸し出していて、それはそれは素敵なんじゃよ。

米国の大手企業の本社は必ずしもNYやLAのような大都市には集中しておらず、スターバックスやアマゾンはワシントン州のシアトル、ナイキはオレゴン州のビーバートン、3Mはミネソタ州のセントポール、GEはコネチカット州のフェアフィールド、アップルはカリフォルニア州のクパチーノというように企業城下町を形成するんじゃが、広告部門だけはNYのマンハッタンに置く企業が多いのは、この広告関連の企業や人材の集積が理由なんじゃよ。

ただ、このマンハッタンにはBtoBマーケティング関係の会社は意外な程少ないんじゃ。彼らはNY州でももっと北のウエストチェスター郡や、隣のコネチカット州などにオフィスをかまえておるんじゃよ。特に多いのはマサチューセッツ州じゃな。ボストンからの半径100kmのエリアには、老舗も新進気鋭も含めた多くのBtoBマーケティング企業が集まっているんじゃよ。
時々BtoBマーケティングの企業はシリコンバレーに多いですね、と言われることがあるんじゃが、あれはツールの企業じゃな。セールスフォースドットコムはサンフランシスコじゃし、Marketoもサンマテオなんじゃが、そのツールを使ってマーケティングを行うマーケティングエージェンシーはシリコンバレーにはほとんどいないんじゃよ。

さて、ワシは昔からNYに滞在する時の宿はアッパーウェスト地区と決めておるんじゃ。マンハッタンの中央に広がるセントラルパークからマンハッタンの西を流れるハドソン川までの一帯で、南にコロンバスサークルや世界最高峰の音楽大学院であるジュリアードスクールを含むリンカーンセンターが在り、北にコロンビア大学が、その中間には映画「ナイトミュージアム」の舞台にもなった自然・歴史博物館が在る文化的な地区なんじゃ。さらに素敵なレストランが並ぶコロンバスアベニューやアムステルダムアベニュー、そしてブロードウェイが南北に走り、「もしNYで暮らすならこの辺り」と決めているエリアでもあるんじゃ。
以前は72丁目に在ったオルコットというホテルを定宿と決めておったんじゃが、この大好きだった古いホテルが高級コンドミニアムになってしまってからは、このエリアで小さなホテルを探しては泊まっておるんじゃよ。

この地区のもうひとつの大きな魅力は、リバーサイドパークなんじゃ。対岸にニュージャージー州を眺めながら悠々と流れるハドソン川に沿って59丁目から125丁目まで南北に細長く広がる広大な公園で、セントラルパークよりむしろ地元の人に人気が有るんじゃよ。ワシも滞在中は必ず朝の散歩に訪れる場所なんじゃ。
河畔にはヨットハーバーも在り、ジョギングしている人や、イヌを連れて散歩をしている人など、ニューヨーカーの日常を観ることができる場所なんじゃな。

日曜は朝の散歩の後、NY在住の古い友人とブランチを楽しんだり、夕方には、LAに本拠を持つマーケティング企業のNY代表を務める友人夫妻とカーネギーホールで行われたクラシックのコンサートに行ったんじゃ。クラシック好きの友人が、ワシがブラームス好きなことを覚えていてくれてチケットを取っておいてくれたんじゃよ。ありがたい話しじゃの。
しかもドイツ屈指のバーバリアン・ラディオ・シンフォニーオーケストラで、指揮はMariss Jansonsだったんじゃよ。世界でも有数の音響を誇るカーネギーホールで聴くブラームスの第2交響曲は本当に素晴らしかったんじゃ。毎日のようにこうした世界的なオーケストラや指揮者の演奏が開かれているというのもNYの大きな魅力じゃな。

明けて19日の月曜日は、先ずBtoBマーケティング研究の第一人者であるルース・スティーブンス(Ruth P. Stevens)博士を訪ねたんじゃ。
この人はコロンビア大学の大学院でマーケティングを教え、DMAでも理事や委員長を歴任し、特にリードジェネレーションの分野で「Maximizing Lead Generation」「Trade Show and Event Marketing」などの著作を持つ人なんじゃ。米国の大学でマーケティングを教える人の多くは、実際にビジネスでのマーケティングの経験を持っているんじゃが、ルースさんもIBMで北米エリアのダイレクトマーケティングチームを指揮し、出版とイベントの大手企業Ziff-Davis ではマーケティング担当副社長として活躍した経験を持っておるんじゃよ。しかも若い頃に5年間も日本に住んだ経験を持つ親日家なんじゃ。
久しぶりに会うルース博士はとてもお元気で、米国のBtoBマーケティングの現状や、ワシが今回参加を見送ったDMAのカンファレンスや、参加するSiriusDecisionsの成り立ちやSummitの特徴について詳しく話してくれたんじゃ。最後にお互いの著書にサインしたんじゃが、「このミミズクはなんでおじいちゃんの言葉で話すの?」と質問されて困ったわい。博士がこれほど日本語が読めるとは知らなかったんじゃよ。

その日のランチは、NYでダイレクトマーケティング専門のヘッドハンティングをビジネスにしているクリスとランチをしたんじゃ。数年前に共通の友人から紹介された人なんじゃが、米国企業のマーケティング担当者の競争環境の厳しさを話してくれたんじゃ。
ROMI(Return On Marketing Investment)というマーケティング活動やCMO(Chief Marketing Officer)の評価指標はやはり厳しさを増しており、特にBtoB分野においては営業部門や販売パートナーとのリレーションという難題も在るので、かなり人材の回転が速い、と言っておったんじゃ。まぁこの人材の流動性は彼のビジネス的にはとても良いことで、「だったら儲かってるんだね?」と聞いたらニッコリしておったわい。

その日の午後にはDMAを訪問したんじゃ。DMAの本部はマンハッタンを縦に走る6th Ave (Avenue of the America)のブライアントパークの隣のビルに在り、昔はここのライブラリーにせっせと通っては米国企業の事例を勉強したもんじゃわい。3年ぶりの訪問で懐かしかったの。
ここでは、BtoBの分科会の状況を聞いたんじゃ。何しろ100年の歴史を持つ団体なので、カタログ通販やメールオーダー、訪問販売、テレマーケティングなどの老舗も多く、どうしてもデジタルやBtoBへの対応は遅い感じがしていたんじゃ。でも、対応してくれたグローバルメンバーシップの担当者は、もう本気でBtoBをやるよ、と語ってくれたんじゃ。楽しみじゃの。

火曜日は移動日じゃ。同じ東海岸と言ってもNYからフロリダ州のオーランドまでは4時間近くのフライトじゃからの。早起きして、リバーサイドパークをゆっくり散歩してから空港に向かったんじゃ。

マンハッタンの近郊にはドメスティックのラガーディア空港と、ニューアーク空港が在るんじゃが、今回のオーランド行きのデルタ便は何故か国際線の玄関口JFK空港からだったんじゃ。米国の空港にはどこもデルタ航空のラウンジが在るんじゃが、JFKのターミナルには屋上にオープンルーフラウンジが在ったんじゃ。広大な空港を眺めながらボーディングを待つのも気持ちが良いもんじゃの。

では次回はいよいよ、オーランドでのSiriusDecisionsのSummitをレポートしようかの。

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