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2017.04.20

デマンドセンターから進化したパートナー支援のかたちPRM

メーカーにとって、販売代理店の営業をいかにモチベートし、営業支援するかは極めて重要なテーマです。そのためのプロセスであり、ソリューションであるPRMをノヤン先生が解説します。

今回はPRMの話じゃよ。
PRMとは【Partner Relationship Management】の頭文字の略で、文字通り販売代理店などのセールスパートナーとの関係を管理し、支援する役割を担うんじゃよ。

どの国でも、メーカーは自社製品の販売に販売代理店(パートナー)を活用する事が多いんじゃ。じゃから、そのパートナーが頑張って売ってくれるか、そのためにいかに販売支援をするか、というのはメーカーにとって生命線なんじゃよ。これがPRMとかサードパーティチャネル(直販に対する販売代理店の呼称)マネジメントと呼ばれるプロセスであり、それを行うためのソリューション群なんじゃよ。

考え方もプロセスも新しいものではないの。もちろん、日本企業だって昔からやっておったんじゃ。販売代理店の営業を集めて、前年にたくさん売ってくれた人や企業を壇上で表彰したり、パーティーや温泉旅行に招待したり、というやつじゃ、見たことあるじゃろ?そして企業に渡す販売奨励金(インセンティブ)もしっかり実施しておったんじゃ。
しかし、残念ながらこれらはどんどん効力を失っておるんじゃよ。

「盾や表彰状はもう置くところが無いので困るんです」
「遠方や一泊はちょっと、都内のホテルで2時間くらいなら行けるんですけど」
「毎年同じ大手代理店が表彰されるのって、意味あるんですかね?」

最近はこんな声をあちこちで聞くんじゃよ。メーカーは多くの予算とリソースを割いているのじゃが、呼ばれる側の代理店はこんなものなんじゃよ。しかも、メーカーの販売奨励金(インセンティブ)も、代理店の営業のモチベーションにはならない場合が多いんじゃ。販売代理店は基本的には薄利で販売しているし、競合との値引きも合戦もあるので、こうしたインセンティブは値引きののり代や、期末の利益確保の減資になる場合が多く、現場の営業にはメリットは無いんじゃよ。

こう書くと、メーカーのパートナー担当からため息が聞こえてきそうじゃの。では、代理店の営業をモチベートし、支援できるものはなんじゃろう?
それは「商談機会」つまり良質な案件なんじゃよ。

営業は「売りたい生き物」じゃとワシは考えておるんじゃ。それは直販も代理店も同じじゃな。彼らは売りたいし、売り上げで自分の評価が決まることも理解しているし、売るための製品やサービスの説明スキルにも磨きを掛けておるんじゃ。営業はよくロープレをやっておるじゃろう?あれがそのトレーニングなんじゃ。

「でもウチの代理店の営業は、新製品を売ってくれませんよ」

こんな声が聞こえてきそうじゃが、それは多くの場合、新製品の商談機会を作れないからなんじゃよ。
販売代理店の営業は担当している顧客を頻繁に訪問するものなんじゃ。でも、いつも違う部署の違う人に会っている訳では無いんじゃよ。むしろ、毎週訪問していても、同じ部署の同じ人に会っている方が普通なんじゃ。だからこそ緊密な関係を作れるし、競合につけいる隙を与えないでグリップできるものなんじゃ。
でも、同じメーカーの製品でも、売り込む先の事業所や部署が同じとは限らんじゃろう?他の事業所や部署、いつも会っているのとは別の人に会って紹介しなければ案件化はしないものが多いはずなんじゃ。その商談の機会を作ることが出来ないんじゃよ。

そこで、デマンドセンターの出番なんじゃ。つまりPRMもデマンドセンター活用のひとつの形態なんじゃ。

デマンドセンターの重要なミッションのひとつは社内データの統合管理なんじゃ。企業内のさまざまな場所で、いろいろなフォーマットで、バラバラに存在する顧客・見込み客データを収集して統合し、適切に整理整頓し、最適なコンテンツでコミュニケーションしながらナーチャリングし、その反応などの「行動」と「属性」で絞り込むプロセス、つまり「デマンドジェネレーション(商談機会の創出)」という役割を背負っているのがデマンドセンターなんじゃ。

このデマンドセンターがプラットホームとして使うツールがMA(Marketing Automation)であり、今話題のABM(Account Based Marketing)やこのPRMなどは、MAの上にアドオンしたり、MAとAPI連携したりして活用する進化系なんじゃよ。
米国では2000年のEloquaのリリースからMAの普及が始まったんじゃが、日本では実質的にMAの普及が始まったのは2014年なんじゃ。約15年の時差が在るんじゃが、その進化系のABMやPRMは未だ普及が始まってもおらんのじゃ。この辺のソリューションやサービスが立ち上がってきたら日本のBtoBマーケティングもいよいよ世界に追いついてきたと言えるかも知れんの。

PRM機能を備えたソリューションには、大きく分けてふたつのカテゴリーがあるんじゃ。それぞれ説明しようかの。

パートナー管理型

企業であるパートナーや、個人でRep(Representative)と呼ばれるセールスパーソンが販売するビジネスモデルの企業の、

  1. リクルーティングと呼ばれるパートナーの募集・採用

  2. 教育・研修

  3. 資格取得・資格者管理

  4. 商談管理

  5. インセンティブの計算や支払い

  6. 共催マーケティングの費用を管理するファンドマネージメント

などの機能を網羅し充実させたタイプじゃな。米国には割と昔からある業務アプリケーションなんじゃよ。
まず、パートナーを探すには、マーケティングが行うリードジェネレーションと同じようなことをやるんじゃよ。その国の展示会に出展したり、SEM(Search Engine Marketing)で登録させたり、セミナーを開催してメディアで告知したり、あるいはパートナー候補を絞り込んでダイレクトに電話をしてアプローチをしたりするんじゃな。
この時には、パートナー戦略の設計、つまり地域独占型にするのか、複数代理店を重複契約して競わせるカニバリゼーション型にするか、販売目標を設定し、複数年届かなかったらパートナーから外す、あるいは販売奨励金をどのタイミングで使うなどを設計しないと予算が組めないじゃろ?こうした設計もしやすいインターフェイスになっておるんじゃ。

パートナー支援型

こちらは比較的新しいカテゴリーじゃが、古くからのパートナー管理よりも、パートナー支援に重心を置いたタイプなんじゃな。
メーカーのデマンドセンターが作り出したリード(MQL:Marketing Qualified Lead)を、パートナーに供給し、その案件の進捗を管理するタイプなんじゃ。パートナーとのリードデータの共有や、共催イベントやセミナーの開催、オンラインでの共同キャンペーンなどのプラットホームとしても活用でき、小規模で自社独力ではマーケティングまで出来ない、という販売パートナーにとってはとっても強力な支援になるんじゃ。

また、MQLを供給し、その進捗を管理するので、サボっているパートナーや、そのメーカーが供給した案件に別のメーカー製品を販売した事なども推測できる機能を組み込んでいるものもあり、ただ支援するだけでなくしっかり管理もするわけじゃな。
こちらのタイプは、多くのフロント系と呼ばれるマーケティング&セールスのソリューションとの連携が強く、クラウド上でのAPIを沢山持っていることも特徴なんじゃ。メーカーもMAやSFAを使っておるし、パートナーもそれぞれ別ブランドのSFACRMを使っているから、これらとのシステム連携は不可欠なんじゃよ。

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マーケティング部門が、良質な案件(MQL)を供給出来るデマンドセンターに進化し、そのプラットホームとしてMAが普及すれば、その上にABM、PRM、ADR(Account Development Representative)などの機能やプロセスをアドオンしてどんどん進化・発展して行けるんじゃよ。楽しいじゃろ?

日本のBtoBマーケティングはようやく夜明けを迎えたんじゃが、これからしばらくは輝かしい進化の時代が続くじゃろう。それを考えると、楽しみで眠れんわい!

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