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2006.01.17

顧客情報とのコミュニケーションを管理するソリューション

見込み客リストを作ってから受注までを管理する工程で、その後半の絞り込まれた有望見込み客に対して営業が訪問してフェイスtoフェイスで受注する「Lead to Order(リードツゥオーダー)」のソリューションを注意点も含めてご紹介します。

新しく営業部門からマーケティング部門に配属になった方から、こんな相談をいただきました。

「CRM、SFA、CTI、データマイニング、データマート、OLAP、レコメンドエンジン・・・ データベースマーケティングに関わるツールがいっぱい在って混乱しています。」

第3回は「受注するまでのプロセスを管理するソリューション」の後半です。

法人営業(BtoB)は、見込み客(Lead)のリストを作り、コミュニケーションしながら絞り込んで受注まで到達します。

見込み客リストを作って以降の受注までを管理する工程を、シンフォニーマーケティングでは2つに分けています。

  • 工程2:Lead qualification(リードクオリフィケーション)(前回)

  • 工程3:Lead to Order(リードツゥオーダー)

今回は「工程3:Lead to Order(リードツゥオーダー)」に使うソリューションを紹介しましょう

工程3:Lead to Order のソリューションとその注意点
「営業」と「案件」を管理するSFA

前の工程である「Lead qualification」で絞り込まれた有望見込み客に対して、営業が訪問してフェイスtoフェイスで受注する「Lead to Order」。ここの主役はなんと言っても「SFA」である。ただし、この素晴らしいソリューションは日本ではあまりにも誤解されて導入されてしまったために、ちゃんと活用されていない例が多い。

先ず「顧客管理ソリューション」という誤解。このソリューションが管理するのは「営業」と「案件」であり、その受注までの「プロセス」である。だから「セールスプロセスマネージメントシステム」と理解するのが正しいし、それ以外の機能が搭載されていたとしてもあまり期待しない方が良い。

次に「営業支援ソリューション」という誤解。これを導入すると営業が楽になると理解すると後々大きな問題を引き起こすので認識を改めた方が良い。営業の管理ツールなのだから、管理される方にとってありがたいはずが無いのだ。長良川の鵜飼の鵜に「君の首に巻かれたその紐が好きかい?」と尋ねたとしても、どの鵜だって「嫌いさ!」と答えるに違いない。だからSFAを導入したことを喜んでいる営業を見たことがないし、いるわけが無いのだ。

しかし多拠点やグローバルに営業を展開している企業にとっては、受注や納品の状況だけでは経営は出来ない。それでは未来に対する手が打てないからだ。そこで、現在営業中の案件のステータスを定量的に把握して、原材料の仕入れや製造ラインの組み換え、人員の調達などを行う必要があるし、次の四半期の受注を読むことは資金繰り上での重要課題でもある。そうした目的を果たすために、営業中の案件を進捗状況や受注確率で選別し、それぞれのステータスでパイプラン管理するツールとしてこのSFAが生まれたのである。オラクルの創業メンバーでもある偉大なトーマス・シーベルが考案したシステム「シーベル」は今でもこのSFAの代表選手であるし、ピボタルやセールスフォースなど素晴らしい製品が多い。

また、小規模な企業や小集団の営業グループでは、営業マネージャーが部下の日々の行動を管理することも重要になる。特に売り上げの数値結果だけで簡単に解雇する欧米に比べてこうしたドラスティックな人事管理が難しい日本では、結果だけでなく行動(プロセス)を管理する必要がある。訪問件数やアポイントの件数、提出した見積もりのタイミングや数や金額などである。中国出身でありながら日本の経営の問題点を鋭く抉り出して営業管理システムに仕上げたのが宋会長率いるソフトブレーンのイーセールスマネージャーである。インターフェースがスケジューラーに近いのを見ても、このシステムが営業の行動管理に主軸を置いているのが判るだろう。

SFAの注意点
  1. 案件と営業の管理が得意なこのソリューションは、実は特定多数の見込み客の管理は苦手なのだ。見込み客管理に必須のマージ(名寄せ)機能が弱いし、メール配信やその不達返信のフラグ処理などのコミュニケーション系もまともに使えるものは少ない。だからSFAをこの見込み客管理に使うと多くの場合は「役に立たない」という烙印を押すことになる。速く走ることだけを目的に品種改良されたサラブレッドに重い荷車を曳かせて「駄馬」と判断するようなことは避けなければならない。

  2. 営業の入力ストレスを最小限にする工夫が必要である。将来的には携帯端末に組み込みのデータベースが搭載されるなど改善されると思うが、現時点では営業の入力工数が多すぎて営業活動を阻害している企業が多い。営業がフィードバックしなければ中のデータに何の価値も無くなるし、一方では顧客訪問や営業電話などの営業のコアタイムを著しく侵害している場合はその会社にSFAが定着することはまず無いだろう。また日本特有の個人情報保護法を考えた時に、全ての営業が大量の見込み客データに直接アクセス出来るのは問題があるのは言うまでも無い。そこまで考えてマーケティングを設計しなければSFAは使えないのだ。

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