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2014.03.17

新人マーケター奮闘記【初心者向け】

配信停止から見るコンテンツマネジメントの落とし穴

新製品のキャンペーンとしてメルマガを配信。しかし想定外に多い配信停止依頼が・・・。

新製品の開発に成功した電子部品メーカー B社。プロダクト事業部は営業向けに製品説明会を開きましたが営業は全く聞く耳を持ってくれず、このままでは売上につながらないことは明白でした。困った担当者は、売上をあげる方法について営業推進部へ相談に行きました。
前回コールで大失敗をしたTは、プロダクト事業部からの相談に対して、名誉挽回のチャンスとばかりに手を挙げます。営業推進部では複数の案件が並行して走り始めた時期であり、他の先輩達が手一杯であったため、上司はしぶしぶTに任せることにしました。絶対に成功させるぞ!と鼻息の荒いTは、早速マーケティングプランの策定に取り掛かりました。

ターゲットに響く訴求方法について、過去の失敗を振り返りながら思いを巡らす中で、今回発表する製品は旧製品よりも大幅にスペックアップしている点に注目しました。新製品はハイブリッド自動車向けに新たに開発したインバータで、小型・軽量化と高出力化を同時に実現したものとなっていました。そこでターゲットに対してサイズやエネルギー効率などの製品スペックを前面に打ち出した形で訴求していくことにしました。

また、これまでの経験から、新製品のターゲットがデータベースに存在するかという確認も忘れずに行いました。すると自動車関連企業でメール配信可能なデータは約4,000件でした。そして、そのターゲットに提供する情報を検討し、キャンペーン用のWebサイトを制作することにしました。
さらに、アポイントに関する営業へのヒアリングも欠かしません。
「新規のパスが欲しい。案件単価が低くてもいいから注文書を持って待ってくれているくらいの見込み客だけが欲しい」と営業。
そこでキャンペーン用Webへの誘導役となるメルマガのSubjectや本文には至るところに、「今回限りの大特価」「残りあとわずか」のようなセールス色の強いキーワードを盛り込むことにしました。

実際にメールを配信してみるとCTRは0.6%で240名が反応したという低い結果になりましたが、ターゲットを絞ったため「この数字は想定内」と安心していたT。しかし配信停止依頼が0.8%で320名と過去最悪の数字を叩き出してしまったのです。反応者より配信停止依頼の方が多いという未だかつてない状況に、余裕を見せていたTも焦り始めました。

さらに、衝撃の事実が発覚しました。どういった企業から配信停止依頼がきているのか分析したところ、なんと自動車関連企業の中でも全社的にメインターゲットとしていく企業が多く含まれていたのです。せっかく展示会などで地道に増やしてきた貴重な見込み客との接点を失ってしまう結果にTの顔は青ざめてしまいました。

Tの異変を感じとった先輩が話し掛けてきてくれました。

「この前まで自信満々だったのに、何かあったの?」
「実はこの前配信したメールで、反応者よりも配信停止の数の方が多かったんです。ターゲットを絞ったので仕方ないとは思うんですが、配信停止がメインターゲットの企業ばかりで・・・」と落ち込むT。
「え!?ターゲットを絞ったんだからCTRは上がるでしょ?配信数は確かに減るけど、ターゲットを絞っている分、反応者は多くなるからCTRは上がるんだよ!」と先輩。
「あっ!確かに言われてみれば、そうですね。ちょっと考えれば分かることでした・・・」
「それにこの配信停止の多さは異常だよ。ちょっとメール原稿とコンテンツを見せて」とTが作成した原稿を確認して呆れる先輩。

「何でこの内容にしたの?今、ニーズが顕在化していない人が、こんな売り込みメールを受け取ったらどう思うか考えた?」
「考えていませんでした・・・。改めて読み直してみると、自分には不要な情報が送られてきたと感じるかもしれないです」とうつむきながら答えるT。
「そうだよね。それは配信停止が増えるに決まってるよ。ターゲットとコンテンツがマッチしていないんだから。その製品のスペックだけ見せられても、『ふ〜ん』で終わってしまうよ。大切なのは、その製品を利用することで、どういった課題が解決できるのかといったソリューションブランドを高めることが大切になるんだよ」
「ソリューションブランド・・・ですか?」と初めて聞いたかのような顔をするTに驚きつつも先輩は続けます。

「ソリューションブランドは『その会社がどういう課題を解決してくれるのか』というブランドのことで、困った時にはあの会社に相談しようという潜在的な需要を創出することにつながるんだよ」
「それはとても重要ですね。確かに企業が製品やサービスを導入する際に、課題を解決するという視点から判断することになりますね。そう考えると、全く逆のコミュニケーションの取り方をしていました。今後はソリューションブランドを意識して成果につながるマーケティング活動を進めていきます」と反省したT。
「そうだね。ちゃんと分かったかどうか抜き打ちでテストするから!」
「そんな脅さないでくださいよ」焦るT。
「まだ腹に落ちていないみたいだから、一緒に復習しよう!」と励ましてくれる先輩。

今回のことで、ソリューションブランドを高めること、そしてターゲットに最適化したコンテンツマネジメントの重要性を学んだTなのでした。