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2014.04.28

新人マーケター奮闘記【初心者向け】

展示会での名刺獲得に潜むワナ

営業部から企画推進部に異動となったS。早速、展示会への出展準備を任され、意気揚々と取り掛かりますが・・・。

化学製品メーカーA社に入社して3年目のSは、今春、営業部から企画推進部へ異動となり、マーケティングを担当することになりました。
マーケティングに興味はあったものの、なかなか勉強する機会がありませんでしたが、この異動を機に、しっかりと身につけようと張り切っていました。

新しい部署での引き継ぎも一段落し、日々の業務にも慣れてきたS。上司から「スマートコミュニティ展に出るから、担当して欲しい。分からないことがあれば先輩に相談すればいいから」と展示会担当に任命されました。いきなりの大仕事に俄然やる気を見せるSは、早速準備に取り掛かりました。

「先輩は、出展の目的は名刺を獲得することだと言っていた。とにかく名刺をたくさん集めるためには、去年よりブースを大きく豪華にした方がいいはず」と考え企画をまとめることにしました。
実際に出展社やブース施工業者との打ち合わせでも、「多くの名刺を獲得するためには、ブースは広い方がいいですよ」「装飾を豪華にして、来場者の注目を集めましょう。あとは商談スペースも・・・」などとSのプランを後押しする意見ばかり。Sは、ますます自信に満ちていきました。

打ち合わせをもとに作成した企画書を手に、先輩のもとへ進捗報告に行きました。

「楽しみにしていたよ。早く見せてくれ」とSの企画書を受け取る先輩。
「確認をお願いします。初めてにしては、上出来だと思います」とSも自信満々です。

しかし企画書を読み進めていく先輩の表情は不満げでSは不安になり始めました。

「どこかおかしいところありますか?」
「去年より予算が増えている理由は何?」
「名刺をたくさん獲得するために、ブースの予算を上げました」とSは説明しました。

・・・・
一呼吸おいて、先輩が諭すように話し始めました。

「確かにブースが広ければ、配置する人数やコンパニオンも多くなるから、獲得できる名刺の枚数も多くなるかもしれない。質問だけど、名刺獲得を目的にしているのに、なぜ商談スペースがこんなに広いの?」
「来場者の中にすぐ商談したいという人がたくさんいると困るので・・・」とS。
「うちのターゲット企業の人たちは、展示会場で商談すると思う?それに商談スペースや装飾にコストを掛けすぎだよ。これだとCPLが大変なことになるよ」
「CPL・・・ですか?」と初めて聞く言葉に戸惑うS。

「Cost Per Leadだよ。1件のリードを獲得するためにかかるコストのこと」
「すみません・・・リードという言葉も分からないんですが・・・」
「リードは見込み客のことだよ。つまりSのプランでは、1枚の名刺を獲得するためにコストがかかりすぎるんだよ。去年の平均CPLは5,000円。1展示会当たりの獲得リード数は過去最高の1,000件でこの結果だったんだ」
「え!?1,000件も集まったんですか?今回は目標を600件に設定して、これでもかなりアグレッシブだと思っていたんですが・・・」と驚くS。
「そうだよ。Sのプランでこのまま出展すると、CPLは20,000円になるよね?もしCPLを5,000円にしようとすると、2,400件集める計算になるね。君の立てた目標の4倍だよ!」
「そんな無茶なことをしようとしていたなんて・・・」とさらに落ち込むS。

「そうだね。広くて豪華なブースは確かに、来場者の目を引くから、少しは多くのリードを集めることはできるかもしれない。だけど目的が多くの名刺を集めることだからって、闇雲に企画してはだめだよ。マーケティングも営業と同じで、数字で結果を求められるのだから、ちゃんとCPLの観点から考えることも大切なことだよ、ブースはそこまで大きくなくても、集め方次第で変わるから」と優しく教えてくれる先輩。
「ありがとうございます。CPLで考えることを全く考えていませんでした。今日教えていただいたことをふまえて、企画書を作り直すので、また確認してください」とS。
「よし、分かった!Sならできる!期待して待ってるよ」と先輩。

今回のことで、出展目的を達成するために必要なCPLの考え方の重要性を学んだSなのでした。