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2014.06.02

新人マーケター奮闘記【初心者向け】

マーケの悩みのタネ〜データ管理編〜

展示会で予想以上に見込み客のデータを獲得することに成功したA社。しかし集めたデータを登録しようとしたところ、思わぬ事態に・・・。

前回、出展した展示会で多くの名刺を獲得することに成功した A社。展示会担当を任されたSは、配属後に初めて任された仕事で上々の成果を上げることができましたが、それに奢ることなく頭を切り替え、データの登録方法について考えていました。
前任者からデータベースについての説明は受けていましたが、データに関しては全くの初心者。既存のデータベースの管理・運用方法についての引継ぎはなかったため、マーケティングに必要な情報が何なのか分からず、手探り状態でした。

情報を見直そうと、名刺を保管していたダンボールを掘り起こしました。名刺を見返していくうちに展示会での光景を思い出しながら、「メールマガジンを送るから、メールアドレスは必須だな。その後はコールもするから電話番号も必要。でも電話番号が複数ある場合はどうしよう」と考えながら作業を進めていきました。

しばらく調べていると、名刺の山の中から、ブースで対応した方のアンケートの束が出てきました。名刺情報だけでもどれを登録しようか悩んでいた状態のSは、アンケートの存在を忘れており、「アンケートの情報なんて、一体どのように管理したらいいんだ。他にも何をどうしたらいいのか・・・」と途方に暮れてしまいました。
自分で考えても前に進まないと思ったSは、先輩に相談することにしました。

「そんな浮かない顔をしてどうしたの?展示会でたくさんの名刺を集めたことで、社内の評価も急上昇中だよ!」と先輩。
「実は、集めたまではよかったんですが、そのデータをどうやってデータベースに登録したらいいのか分からなくて・・・。相談に乗ってもらえませんか」
「データ登録か。Sはどういった情報を登録しようと考えてる?」
「名刺には正しい情報が書かれているので、全部登録しようと思っています。でも電話番号とか複数あったりして、どれを優先すればいいのか悩んでいるところです。アンケートも出てきてしまって、もうどうしていいか・・・」と落ち込むS。
「そうだな。考え方から見直してみようか。まず、何のためのデータベースを構築するのかを明確にする必要があるよ。僕らはマーケティングに活用するためにデータを整理するわけだから、そういう視点からどういった情報を登録するのかなど考えていくんだよ」

「そういうことか!」先輩のアドバイスに何かヒントを得たSは続けます。
「電話番号であれば、コールをする際には、代表電話ではなくダイヤルインを優先するほうがいいですね」
「その通り!なかなか鋭いじゃないか。直通の電話番号が分かっているのに、わざわざ代表電話にかけて受付に断られたらもったいないよね。そうなるとアンケートはどうかな?」と先輩。
「そうですね。その時の『興味のある製品』は登録したほうがいいと思います。やっぱり見込み客を絞り込むことを考えると、データベースにあった方が役立つんじゃないでしょうか」とSは自信ありげに答えます。
「本当にそう?その時の『興味』ってすごく変わりやすいものじゃないかな。他にもよくアンケートにある『利用中の製品』や『現状のお困りごと』といったものも、時間の経過とともに変わってしまうよね?つまり個人の興味などの【動的】な情報はデータベースに持たせても活用できないんだ。じゃあアンケートの中で短期間で変わりにくい【静的】な情報ってある?」
「アンケートの中だと・・・」

考えたまま黙り込むSに先輩が続けます。

「Sもまだまだ分かってないな。アンケートに静的な情報はないよ」
「え!?」
「現在の状況についてヒアリングしているわけだからね。つまりSは登録する必要のない情報について、ずっと悩んでいたんだよ」
「そんなぁ。あんなに悩んだのに・・・」と落ち込むS。
「でも実は他に登録すべき重要な情報があるんだよ。例えば、そのデータの入手先のソース情報も併せて登録する必要があるんだ。なぜだか分かる?」

再び考え込んだまま、固まってしまったSに先輩が続けます。

「例えば、以前出展したスマートコミュニティ展で名刺を交換したとするよね?その人は再生可能エネルギーに興味があるかもしれない。過去にどういったテーマの展示会やセミナーに来たかが分かれば、その人がどういったことに興味・関心があるか分かると思うよ!」
「本当ですね!メルマガでWebへ誘導して、アクセスを解析することでどういった情報に興味があるか分かりますが、過去の情報も組み合わせることで絞込みの精度を上げることができそうですね」
「その通り!ちょっとずつだけど分かってきたみたいだね。でもマーケティングはまだまだ奥が深いよ。もしSが勝手にデータ登録していたら、何の検証もできないデータベースができるところだったよ」と、Sをからかう先輩。
「そんな怖いこと言わないでくださいよ。一人前のマーケターになれるように頑張ります」

今回のことで、目的に合わせてデータの活用方法を想定し、データ管理を行う重要性を学んだSなのでした。