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ホーム > 特集 > スペシャル対談[株式会社マルケト] マーケティングが日本の製造業を進化させる─マルケトが描く未来─(前編)

マーケティングオートメーションの日本市場への参入が本格化してきた昨今。米国から20年遅れていると言われてきた日本のマーケティングにも変化の兆しが見え始めてきました。そこで、米国Marketo社の日本法人株式会社マルケトの代表取締役社長に就任された福田氏と、日本初のMAをBtoB企業へのマーケティングアウトソーシングサービスとして提供するシンフォニーマーケティング代表の庭山が対談。これからの日本の製造業を進化させるマーケティングの在り方について語ります。

マーケティングの素地が整いつつある日本企業
─日本のBtoB企業における営業やマーケティングの現状についての考えをお聞かせください。

庭山:日本でマーケティングオートメーションが本当の意味で必要となり普及するのは製造業からだと思っています。日本の産業の中で本当に世界で勝負できるのは製造業だけなんですよね。サービス業など他にも日本にはたくさんの産業がありますが、基本的には内需型で、海外志向があったとしてもまだ海外の売上比率が20~30%くらいです。しかし製造業の場合には50%を超えるケースが大半なので、必然的にグローバルスタンダードなマーケティングをしなければならず、プラットフォームが必要になります。またパートナーの支援をしなければ販売してくれないということが当たり前のように起こっています。
弊社のお客様もそうですが、非常にニーズがあるので、製造業からマーケティングオートメーションが浸透していくと感じています。

福田氏:私もそう思います。実際にマルケトユーザーも製造業が多いですし、ここ数年CRMを提案する中で、導入は日本発、ターゲットは海外というケースは、自動車部品メーカーなど製造業に多く見受けられます。また、展示会で名刺を獲得して案件に活かしていこうという動きもやはり製造業が一番多いです。
そもそも私がセールスやマーケティングに興味を持ったのが初めてアメリカに赴任したときです。最初に出会ったボスに言われたのが「日本の製造業では製造工程や製品チェックを細かくプロセス化しているが、なぜ営業ではそれがないのか」ということでした。言われてみれば、製造工程では作業を右手でやるのか左手でやるのかまで決めるのに営業では確立されたプロセスがないのです。
書店に営業の本を探しに行っても、日本の場合だと伝説のカリスマ営業など人に焦点が当たった本が中心ですが、アメリカの場合だとテレセールスによる見込み客の創出やパイプラインマネジメントから提案までプロセスに焦点が当たった本が多く、これを学ぶと自分の武器になると思いましたね。
日本人はそもそも生産ラインのプロセスマネジメントをできる素地があるので、意識を変えるだけで、営業とマーケティングにプロセス管理の概念を定着化させるポテンシャルはあると思っています。

庭山:弊社もBtoBマーケティング支援の市場がまだないころは、外資系のITやハイテクなど、あらゆる産業の企業をお手伝いしていました。しかし外資系企業の場合、日本法人で成功しても、それ以上の拡大って少ないんですね。
それが国内の製造業だと、日本で成功すれば世界でも一緒にというケースが非常に多い。マーケティングが弱いといわれますけど、彼らは製造プロセスをとことんまで突き詰めた素地があるので、キャッチアップが早いんです。たから展示会で集めた名刺が原材料で、それを加工して不良品を排除していって、最終工程で営業に渡して、クロージングして納品といった形で製造プロセスを営業やマーケティングに持っていくことができるんです。

福田氏:そのような動きをしている企業は増えていると思います。私は営業やマーケティングは「サイエンスとアート」のデリケートなバランスの上に成り立つべきものという考えを持っていますが、以前はアートへの偏りが大きかったと思います。
前職で10年前に、営業とマーケティングの間を繋ぐための役割として、「リードをクオリファイする」ことに特化したインサイドセールスを立ち上げました。しかし当初は「なぜクオリファイだけしかやらせないのか」という意見や、「日本では対面で営業しないと電話では話をしてくれない」という意見が多かったんですね。今は同じような役割を置いている企業も多く、マーケティングから営業につなげるプロセスの理解も当時からは進んできたと思います。

庭山:マーケティングは組織的なところがありますが、営業になるとわりと「個」で勝負させるという面もありますよね。一つは給与体系が関係していると思います。アメリカの場合は基本的にフルコミッションであったり、フルではないまでもコミッション率が高い給与体系になっているので個人プレーが多いですよね。売れる人はどんどん売って、社長よりも高い給料をもらっているケースもあります。
しかし日本の場合、コミッションが若干あったとしても、正社員で終身雇用という環境の中に営業組織があります。そうすると組織で売るということになるので、日本の営業は優秀だと思いますが、一対一の個人戦で勝負するとアメリカの方が強いと思います。

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