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ホーム > 特集 > スペシャル対談[株式会社マルケト] マーケティングが日本の製造業を進化させる─マルケトが描く未来─(後編)

営業の生産性向上や売上アップを目的として導入されたSFA。しかしうまく活用できている企業は一握りです。賢い企業経営者はその前工程であるマーケティングの強化に動き始めています。どうすればマーケティングをうまく機能させ、売上に貢献することができるのか、日本市場におけるマルケトの事例を通して解き明かしていきます。

マーケティングの評価者は営業
─やはり営業の方を巻き込まないといけないですね。

福田氏:そうですね。獲得したリードやメールのクリック数、ソーシャルメディアのファン数などの指標は大切ですが、最終的に売上につながらなければ意味がありません。そのためには営業がどのようなものを求めているのかを理解しなければなりませんし、営業が動くべきリードをどれくらい供給できるか。また、リードから案件に至るプロセスのどこがボトルネックになっていて、それを解消するために効果的なキャンペーンはこれですと経営陣に提案ができればマーケティング部門の存在が大きくなると確信しています。

庭山:外資系のマーケティングの方ってプロセスで結果をアピールすることが多いですよね。イベントを何回開催したとか、セミナーを満席にしたとか、少し強引なところもあり、営業としては玉石混交になってしまいます。弊社では、マーケティングの評価者は営業であるべきだと考えています。プロセスの指標としてCTR[配信したメールの文中にあるURLやバナーがどれだけクリックされたかを示す指標]やCVR[ユーザーから見た製品・サービスへの関心のステータスがどれだけ変化(転換)したかを示す指標]も重要ではありますが、本当に重要なのは営業の方がフォローする実数やどういった質の案件を何件創出できたかだと思います。CTRで評価をするのであれば、弊社では飛び道具という言葉を使いますが、「iPodを差し上げます」というメールを配信すればいいんです。でもそれをフォローする営業の方からするとこのうえなく迷惑です。ですからマーケティングの仕事は営業の方にとって良い案件を1ヶ月に消化できる件数だけ渡すことだと思います。50件しかフォローできないのに、2,000件のリードを渡してもフォローしてくれません。マーケティングではその50件の質をどれだけ高められるかが重要なのです。

福田氏:リードの件数が少ないうちは、リードを獲得して、テレセールスを実施し、そこからどれだけコンバージョンしたかでパイプライン管理すればよいかもしれません。しかし時間が経つにつれて、案件化されていないリードがどんどん蓄積されています。この蓄積されたリードを醸成することによって案件につながるプロセスを考えなければ、新規リードの獲得だけではいずれ行き詰まってしまいます。そうなると、自社の商材とは関係ないノベルティや外部の有名人を使ったキャンペーンに走ることになり、温度感の低いリードに営業リソースが費やされる悪循環から抜け出せなくなります。

庭山:最悪のケースはマーケティングを頑張れば頑張るほど営業に余計な仕事を増やしてしまうことです。マーケティングの視点としては、営業からのフィードバックが足りない、名刺を出してくれない、渡したリードをフォローしてくれないということになり収拾がつかなくなる前に我々は必ずこう言います。「どちらが偉いとか偉くないとかではなく、製造業のラインの前工程と後工程の関係です」と。だから製造業では後工程の人間が前工程に「もっとバリ取りをしっかりしろ」とか言うじゃないですか。それと同じように、必ずクロージングするからもっと良質なリードを渡してくれという関係性になるはずです。
アメリカの場合だと、ROMIなどの指標をしっかりと持っていますよね。案件をいくつ出したのかというところで勝負するのですが、日本の場合だと様々な指標でマーケティングを評価するので、営業の役に立っているのかという、本来であれば重要な指標のプライオリティが低いケースがあるのです。

福田氏:そうですね。私はそのようなベストプラクティスを広めるために、まず、自らがマルケトの一番の使い手として、ショーケースになりたいと考えています。御社もそうですが、やはり自分たちが実践できていれば説得力がありますし、お客様もついてきてくれると思います。 あとはユーザー様のコミュニティです。顧客が増えるにつれて、ベンダー1社ができることには限界がきます。ユーザー同士が啓蒙し合うコミュニティができれば、顧客の成功に大きく貢献できると思います。現在マルケトでは約250社のLaunchPointという周辺ソリューションパートナーのコミュニティと、Marketing Nationというマーケティングコンサルタントやユーザーとのコミュニティがあります。これを日本でも立ち上げて、ベストプラクティスを創っていきたいですね。

─今後、日本でのローンチイベントやサポートなどはいつごろになるのでしょうか。

福田氏:現在は日本での体制を整えることに専念しており、年内に営業、マーケティング、サポート、コンサルティングなどの役割を中心に15名まで増員します。同時に日本市場向けのWebサイトを秋にオープンし、年明けには自社のイベントを開催して、顧客事例やパートナー様のご紹介ができるように準備したいと考えています。それまでの間も8/29に第一回ユーザー会の開催をはじめ、共催セミナーなどは積極的に開催していきます。

庭山:基本的にはパートナーモデルで立ち上げるのですか?

福田氏:直販、間接販売という観点よりも、プロジェクトを成功させるためにどういう体制を敷けるかを念頭に置いています。販売はもちろんですが、プロジェクトを成功させるためには、マーケティングのプロセス設計、コンテンツ作成、システム構築など幅広いサービスが求められますので、我々だけでは実現できません。そのためにパートナー様のエコシステムを構築していくことを考えています。

─それでは最後にマーケティングキャンパスの読者約9万人に向けてメッセージをお願いします。

福田氏:マーケティングキャンパスの読者の方々は、いち早くマーケティングについて興味を持っておられて、コミュニティを興していく方々だと思います。ぜひ私もオンライン、オフラインでみなさんとコネクトして日本のマーケティングを一緒に盛り上げていけたらと思います。

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マルケトの参入で日本でも活性化してきたBtoBマーケティング。マルケトをはじめとしたマーケティングオートメーションの普及が、日本企業の未来を変えるかもしれません。

株式会社マルケト 代表取締役社長
福田 康隆

早稲田大学卒業。ハーバード・ビジネススクール General Management Programを修了。1996年に日本オラクル入社。2004年に米国セールスフォース・ドットコムに入社し、日本市場におけるオペレーションを担当後、2005年に日本法人に着任。専務執行役員兼シニアバイスプレジデントとして日本市場における成長を牽引してきた。2014年6月より現職。

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役
庭山 一郎

中央大学法学部卒。アスクプランニングセンターにて商業施設のマーケティングプランナーとして勤務の後、1990年9月にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。CRM、SFAなどの導入計画、ECサイトの構築など約300社、1,200のマーケティングプロジェクトに参画。2000年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシングサービス事業を開始。各産業の大手企業を中心にサービスを提供している。

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