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2012.11.05
営業部から営業推進部に異動になったT。早速、新製品のキャンペーンサイトを担当することに・・・。
電子部品会社に勤める入社5年目のTは、今秋、営業部から営業推進部に異動になりマーケティングを担当することになりました。具体的にどのような仕事があるのか曖昧なものの、これまでの営業経験から自社製品の知識については自信があるため、特別不安もありませんでした。
部署が異動になって数日が過ぎたころ、新製品のキャンペーンサイト制作を担当することになりました。
「昨年、制作したキャンペーンサイトは、良い問い合わせが多かったから、今年もよろしく頼むよ」と先輩。配属されたばかりということもあり、Tが今回任せられたのはコンテンツ案の作成で、一週間後に会議でプレゼンすることになりました。
サイトのコンテンツを作るのは、初めての経験ということもあり、まずは昨年成功したキャンペーンサイトを見てみて、サイトの良い点をピックアップしていきました。
製品のスペックや効果が数値で表現されていて説得力がある
従来製品や他社製品と比べての優位性が明確に表現されている
「なるほど。つまり営業目線を活かしてコンテンツを作成すれば、競合優位性が明確になるし、引き合いも多いサイトが作れそうだ。それから、今回も数値で製品スペックの優位性を立証できれば説得力も出るぞ・・・」
Tは修正を加えながらコンテンツの作成をしていきました。
一週間後・・・。プレゼンを終えたTは想像と違う雰囲気の中にいました。
「今回のキャンペーンサイトを作る目的はわかるかな?」
「新製品の良さを正確に伝えて、引き合いを増やすことです」と答えるT。
「そうだよね。今回のこのサイトではそれが難しいと思うけど、何でかわかる?」
「・・・確かに文章力はあまりないかもしれません。しかし今回は営業で培った視点で作成したので、製品のアピールは十分にできていると思います」と食い下がるT。異動になって初仕事なので気合が入っていると同時に、営業経験からの自信もありました。
「そういった視点は勿論大切だね。でも一番大切なことを忘れているよ」と先輩は続け「引き合いを増やすためには、まずターゲットを決める必要があるよね。今回ターゲットをどう想定して、コンテンツをつくったの?」
そうか・・・。確かにどちらかと言えば製品の強みばかりにフォーカスして、コンテンツを作成していたかもしれない・・・。
「すみません。確かにターゲットのことは考えていませんでした。自分がアピールしたいことばかり考えていて・・・・もっとお客様目線で作成すべきでした」
「うん、そうだね。それからそういう場合、お客様に一番伝わりやすい方法は何だかわかる?」と先輩。
伝わりやすい方法・・・?思わず黙り込むT。
「お客様目線になればわかるよ。なぜ企業は製品を購入するのかな?何か解決しなくちゃいけない課題があるからとは思わない?」
「課題・・・。そうか!製品を使うことで“今ある課題がこう解決できます”という内容にすればわかりやすいですね」
「その通り。つまりお客様が一番知りたいのは、細かいスペックではなく、その製品を利用することで“何が解決できるのか”ということだよ」
先輩の教えから自分がいかに浅はかな考えでコンテンツを作成していたか気付いたT。
しかしその一方で、マーケティングの面白さを知ることができました。
今回のTの学びを覗いてみましょう。
狙うターゲットにあわせた最適なコンテンツを用意すること
重要なのはお客様の課題をどのように解決できる製品であるかを知らせること