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2016.08.08
エグゼクティブ向け特別セミナーとして、7/6(水)に「BtoBマーケティングの世界最先端を知る」というテーマでセミナーを開催しました。弊社代表の庭山が今年の5月に米国に出張し、そこで得た最先端のマーケティングについて報告しました。
セミナー前半では、今年も庭山がSiriusDecisions 2016 Summitや、そこで新たに提唱されたフレームワークについて解説しました。
SiriusDecisionsは、2001年にGartnerのリサーチ部門の幹部だったJohn Neeson氏を中心に創業し、BtoB企業のマーケティング&セールスにフォーカスしたリサーチ&アドバイザリーファームとして急成長している企業です。
日本に進出していないため、あまり知名度は高くありませんが、この分野でのアナリストやリサーチャーの質と層の厚さは、他社の追随を赦さないレベルで業界をリードしている企業なのです。
そのSiriusDecisionsが主催しているイベントが、Summitであり、スポンサーや来場者も年々増え続け、名実ともにBtoBマーケティング&セールスの世界最大級のカンファレンスとなっています。
マーケティングの世界でよく見かける「ファネル(漏斗)」の基礎となっているのは、「Demand Waterfall」と呼ばれるモデルで、2002年にSiriusDecisionsが理論化したものです。
日本でも普及し始めてきたマーケティングオートメーションの設計思想にもなっています。
SiriusuDecisionsには、このフレームワークを専任に研究しているチームがあり、今年はグローバル企業のDemand Waterfallについて、地域ごとや特性に合ったモデル構築を具体的な数字を示しながら説明がありました。
最近、日本でもアカウント・ベースド・マーケティング(ABM)という言葉を少しずつ耳にするようになりましたが、アメリカのマーケティング界はABM一色の状態です。
そもそもセールスとマーケティングがつながっておらず、MQLの50%がフォローされないままの状態になっているというレポートもあります。
そのため、「マルチコンタクトポイントで獲得したデータを統合し、企業単位できちんと整理して、ターゲット企業だけにフォーカスした戦略的なアプローチをする」というアカウント・ベースド・マーケティングが必要となってきたのです。
これを実現するためには、さまざまなフレームワークも重要ですが、一番のポイントは「言葉の定義」です。セールスやプロダクトなど他部門を巻き込むため、定義を揃わなければ成功しないのです。
そのほかにも、Audience Centric TransformationやEvaluating Sales Organizations、The Productivity Quotientなどのフレームワークが提唱されており、セミナーに来場された方々は熱心にメモをとられていました。
セミナーの後半では、SiriusDecisionsのクライアントの中から選ばれた企業のプレゼンの模様をご紹介しました。Zebra社、FIS社そしてMicrosoft社の3社のプレゼンがありましたが、どのプレゼンも「ここまで数字を出して大丈夫なのか」と心配してしまうくらい具体的な数字と施策を示しており、非常にインパクトのある内容でした。
また、Zebra社のプレゼンの中で、ドラッカー氏の有名な「Culture Eats Strategy for Breakfast」ということが引用されていたのが印象的でした。
どれほど素晴らしい戦略をつくっても、企業カルチャーには勝てないということです。何よりも企業カルチャーが大切だという言葉です。
そして、企業カルチャーに必要なことは、現在の習慣から抜け出すこと、そして自ら進むべき方法を明確にすることの2つがポイントになります。
マーケティングの戦略を立てるために、こういった面での取り組みも非常に先進的なものといえるのではないでしょうか。
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「BtoBマーケティングの世界最先端を知る」をテーマに開催したエグゼクティブ向けセミナーでした。日本とアメリカのマーケティングの差は15〜20年といわれていますが、その差は広がっているかもしれません。日本企業の現在地を知る上でも、世界最先端のBtoBマーケティングがどこまで進んでいるのかを知る貴重な機会でした。