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2006.11.27

ソーシャルネットワーキングサイトの目指すべき姿

text:Hiroko Hatanaka

昨年来、アメリカのマーケティングニュースを騒がせているソーシャルネットワーキングサイトの中でも、特に若者の間で一番ホットと言われているMySpace。でも「残念なことにMySpaceは、もはや古くなりつつある」のです。

前回ご紹介したMySpaceを始めとするソーシャルネットワーキングサイトは、昨年以来アメリカのマーケティングニュースの中心となっています。10月5日付のAd Age(電子メール版)に興味深い記事が、掲載されていました。

私は日本のソーシャルネットワーキングサイト事情については詳しくありませんが、アメリカのそれが目指すべき道を紹介したいと思います。レポートの全文を読む時間がないと言うあなたのために、要旨を一文でご説明しましょう。

「残念なことにMySpaceは、もはや古くなりつつある」のです。

Monster.comの創始者ジェフ・テイラー氏は、MySpaceのシニア世代版であるEons.comを設立しました。このサイトがMonster.comと異なる点は、既にLegacy.comという競合が存在していたことです。

人口の多くをシニア世代が占める日本にとって、シニア向けのソーシャルネットワーキングサイトは、絶好のチャンスとなるかもしれません。あなたはどのように考えますか?

以下にAd Ageのレポートをご紹介します。

昨年MySpaceは、著しい成長を遂げました。しかし、文化的トレンドのバロメーターを若者世代がにぎっているとしたら、News Corp*は危険なことになりそうです。
*News Corp:MySpaceやFox TVを所有する大手メディア企業

8月、MySpaceにおけるティーン世代(12〜17歳)のシェアは、前年の24.7%から11.9%に減少しました。その一方で35〜54歳(いわゆるトレンドセッター以外の世代)のインターネット利用者が、MySpaceのアクセス数の40.6%を占め、前年比8.2%増を記録しました。

果たしてMySpaceが、ティーン世代なしで存続できるかどうかは、明確ではありません。ニューヨークのブランドコンサルタント会社、Landor Associatesのアレン・アダムソンは、次のように語ります。「ティーン世代の支持をつなぎとめることは、実に難しいことです。しかし、競争力を失ってしまうと、大変なことになってしまいます。上の世代に支持されることは望ましいことですが、トレンドセッターである若い世代を失うと、辛いことになります。」

ティーン世代以上のMySpaceメンバーは、若い世代ほど積極的にコミュニティに参加しない傾向にあります。今月、12〜17歳の平均的な一人のユーザがMySpaceにアクセスした時間は260分間であり、約808ページを閲覧したという結果が出ています。一方35〜54歳の平均的なユーザのアクセス時間は179分間、閲覧したページ数は560ページでした。

ComScore World Metrixによると、本年8月、MySpaceは前年比243%増の7960万件のアクセス数を記録しました。

MySpaceメンバーのヤングアダルト世代(18〜24歳)のシェアは、19.6%から18.1%に下がり、1.4%減となったものの、25〜34歳のユーザのシェアは、10.4%から16.7%に上がり、6.2%増を記録しました。

では、FacebookとXangaに関しては、どうでしょうか。

ComScoreによると、大学生向けのソーシャルネットワーキングサイトとしてスタートしたFacebook.comは、現在もなお若い世代の注目を集めています。Facebook.comへのアクセスの3分の1以上は、18〜24歳までのユーザが占め、この割合は一般的なインターネットユーザ人口における同年代の構成比の約3倍に当たります。

また、ComScoreの調査では、同じくソーシャルネットワーキングサイトであるXanga.comへのアクセスの5分の1は、12〜17歳までのユーザからなり、これは一般的なインターネットユーザ人口における同年代の構成比の約2倍に当たることも分かりました。

Hiroko Hatanaka プロフィール
NY在住。NYの大学でダイレクト・マーケティングを学び、エイボンや英国資本の高級トイレタリーなどのマーケティングを手掛ける。現在はニューヨークの広告&PR代理店であるIWグループに所属。