マーケティングキャンパス 基礎から実践までBtoBマーケティングを学ぶサイト

Loading

ホーム > コラム > 売り上げを創るBtoBのデータベースマーケティング > 最適化(オプチマイゼーション)するべき相手は誰ですか?

2006.01.17

最適化(オプチマイゼーション)するべき相手は誰ですか?

出典:japan.internet.com / 庭山一郎

SEOやSEMでWebのアクセスをアップさせて、それが売り上げに結びつきましたか?もしも結びついていないなら、目的やターゲットをもう一度見直してみてください。

SEOやSEM。目的を履き違えていませんか?

昔、新しく作る会社やお店の名前を考える時、無理やり「ア」で始まる名前にこだわる人がいた。理由は職業別電話帳の最初に載るから、というもので、つまりは職業別電話帳で上位に掲載されれば問い合わせ電話が掛かってくる、と期待しての「ア」なのだ。そもそも社名とは会社のビジョンや経営理念、得意技などを表現すべきものだが、それを職業別電話帳の索引に最適化して決めようというのはいかにも本末転倒な気がしたが、私にはこれが今のSEOやSEMブームと重なって見える。

今、企業が抱える共通の悩みでもある「Webが売り上げに結びつかない」という現象も、こうした「本末転倒」に原因があることが多いのではないだろうか。

SEOやSEMはWebの構造やコーディングをサーチエンジンのロボットプログラムに最適化する手法で、上手くいけばサーチエンジンのあるカテゴリーで上位に表示されることになるし、その結果としてWebのアクセスが増えることになる。Webのアクセスを増やすことに苦戦していた担当者から見れば、是非とも活用したいソリューションだ。しかし、これは「マーケティング」という視点でみれば、あくまで「部分最適」であることを忘れてはならない。手段あるいはツールであって目的ではないのだ。

広報部門のWeb担当者のミッションが「アクセスを増やすこと」ならそれで目標達成なのだが、その一方で「Webを受注に結び付けたい」という会社としての問題は解決されない。特にある程度の知名度を既に持っている大企業の場合、Webのアクセスが増えても、資料請求やセミナー参加申込者の数は増えない、という現象が出てしまうのだ。

SEOだけではない。PR(広報)とうまく連動させればアクセスは増える。しかしその多くは競合企業か、オフィス賃貸や人材派遣などの営業会社からである。また求人のキャンペーンとうまく連動すればページビューは飛躍的に増える。学生や中途入社を考えている人はWebを隅々まで見る傾向にあるからだ。そしてそのどちらも売り込みメールや営業電話などの迷惑アクセスは急増するが、受注には結びつかない。

SEOやCMSやRSSなどは便利なツールではあっても、あくまで目的を達成するための道具であり、マーケティングの目的は「戦略的に売れる仕組みを創ること」である。Webのアクセス数を増やす、一人当たりのページビューを増やす、それが全体のマーケティング戦略の中のどのパートを担い、どこに繋がるのか、「ラインを繋ぐ」ことを考えて設計しないと決して成果は得られない。

最適化すべきはサーチエンジンのロボットプログラムではなく・・・

私はクライアントに「最適化(オプチマイゼーション)すべきはサーチエンジンのロボットプログラムではなく『ターゲット』です」と繰り返し提唱しているのはこうした理由からなのだ。ERPなら経営企画部門や経営者層だし、ストレージなら情報システム部門、人事給与システムなら人事と経理と情報システムの各部門がターゲットになる。ITに限った話ではない。梱包機材やセンサーなら工場のラインマネージャーだし、自動車保険なら総務部門、空き店舗の情報なら流通小売業か飲食業の出店企画室がターゲットになる。こうしたターゲットにフォーカスしてマーケティングを最適化しない限り、次々に出てくるツールの情報に振り回され、時間と予算を際限なく注ぎ込むことになる。

インターネット広告もバナー、メルマガ広告、アフィリエイト、リスティングと、どんどん増殖しているが、実際にそれが売り上げに結びついた事例はBtoBではまだあまりにも少ない。インターネット広告自体の効果が無いのではなく、見た人が衝動的に購買に走るBtoCと違い、会社のお金で購入する、つまり社内の「予算申請と承認」というプロセスが必要なBtoBでは「点を繋がなければ」効果を出すことは出来ないのだ。それも箱根の大学駅伝のように、あるいは生産工場のラインのように、前から後、前工程から後工程へとリレーされなければならない。Webやメールを使ったオンラインコミュニケーションも例外ではない。メルマガとWeb、ネット広告、展示会、セミナー、などをバラバラに動かして、まるで南米の「焼き畑農法」のようなマーケティングをしている限り、予算を消耗し、担当者が疲弊する以外の効果は決して望めないのだ。