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ホーム > インタビュー > スペシャル対談[株式会社マルケト] マーケティングが日本の製造業を進化させる─マルケトが描く未来─(前編)
2014.08.19
マーケティングオートメーションの日本市場への参入が本格化してきた昨今。米国から20年遅れていると言われてきた日本のマーケティングにも変化の兆しが見え始めてきました。そこで、米国Marketo社の日本法人株式会社マルケトの代表取締役社長に就任された福田氏と、日本初のMAをBtoB企業へのマーケティングアウトソーシングサービスとして提供するシンフォニーマーケティング代表の庭山が対談。これからの日本の製造業を進化させるマーケティングの在り方について語ります。
庭山:以前、マーケティングキャンパスのノヤン先生のマーケティング講座で、マーケティングオートメーションについて書いたことがあるんです。Eloqua、Silverpop、Neolaneなどがおそらく買収されるだろうと書いたら、全部その通りになりました。その時点では確かな情報を持っていたわけではないですが、BIと呼ばれる財務シミュレーション用のアプリケーションは、独立したベンダーがなくなったという状況を考えてみると、同じことがマーケティングオートメーションでも起こっている中で、御社は独立して残っています。これは戦略的にやっているのですか。
福田氏:強く意識しています。やはりこのマーケティングオートメーションという分野でイノベーションを起こしていくためには、自分たちで集中して投資できる環境が大きいと考えています。
福田氏:まだ社員600名という会社ですので、一気に世界展開というところは難しかったことがあったのだと思います。まずはヨーロッパ、そして同じく英語圏のオーストラリアで展開してきましたが、既に日本でも30社程のお客様が利用しており、ニーズの高まりを感じていました。昨年12月に日本語化を終えましたので、今年本格参入を決めたということです。
福田氏:私はキャリアの最初の10年を日本オラクル、次の10年をセールスフォース・ドットコムで経験し、それぞれクライアントサーバ、クラウドという大きなテクノロジーの変化の中でERPやCRMが普及するさまを間近で見てきました。
マーケティングはモバイル、ソーシャルメディアなどテクノロジーの進化の恩恵を最も享受できる分野で、これから10年で最も大きく成長する領域だと考えていました。また、これまでCRMの導入企業をお手伝いしてきて、受注率の向上など導入効果を出した企業の共通の課題はいかに見込み客を増やすかでした。営業の後半プロセスの改善は、営業の入れ替わりや教育、競合などを考えると大変なパワーが必要とされ、例えば受注率を30%から40%へ上げることは容易ではありません。やはり前半のプロセスであるマーケティングが見込み客を開拓していかなければならない。しかし見込み客の開拓においては、多くの企業で営業が行動量を増やすという解決策に走ることが多く、この点を改善できる方法はないものか常々考えていました。そこでマルケトというツールを見た時に、これを自分の組織に導入すれば、パイプラインが30%増えると直感的に思いました。マーケターはもちろん、リードをクオリファイするテレセールスやフォローする営業の生産性も劇的に向上するだろうと感じました。自分が営業部門の責任者として感じていたこの課題は、世の中の多くの企業も感じているはずで、それを解決するツールであれば間違いなく市場で受け入れられると確信しました。
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盛り上がりを見せつつある日本のBtoBマーケティング。次回は、どのようにすればうまくマーケティングの仕組みが機能するのか、マルケトの事例を通して解き明かしていきます。
早稲田大学卒業。ハーバード・ビジネススクール General Management Programを修了。1996年に日本オラクル入社。2004年に米国セールスフォース・ドットコムに入社し、日本市場におけるオペレーションを担当後、2005年に日本法人に着任。専務執行役員兼シニアバイスプレジデントとして日本市場における成長を牽引してきた。2014年6月より現職。
中央大学法学部卒。アスクプランニングセンターにて商業施設のマーケティングプランナーとして勤務の後、1990年9月にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。CRM、SFAなどの導入計画、ECサイトの構築など約300社、1,200のマーケティングプロジェクトに参画。2000年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシングサービス事業を開始。各産業の大手企業を中心にサービスを提供している。