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2015.05.11

スペシャル対談「マーケティングを成功に導くデータ管理の在り方─東京商工リサーチが誇る 世界最高基準のデータの信頼性─」

主要なマーケティングオートメーション(MA)が日本市場に参入した2014年。MAを導入し、マーケティングに本格的に取り組み始めた企業が増えつつあります。しかしMAは魔法のツールではありません。MAを活用してマーケティングを進化させるためには、繊細かつダイナミックなデータ管理が重要となってきます。今回は、全世界の企業情報を提供している東京商工リサーチとデータベースマーケティングを専門とするシンフォニーマーケティングの対談をご紹介します。

主要ベンダーが出揃った日本市場
─日本市場におけるマーケティングやデータ活用の現状・取り組みについてお聞かせください。

庭山:いまだに日本企業のマーケティングは欧米企業と比べると10〜20年遅れていると言われています。Eloquaのローンチが2000年ですから、それから14年遅れていて、相変わらず差は開いていると言わざるを得ません。しかしマーケティングオートメーション(以下MA)のトップブランドが日本市場に参入し、Hubspotもおそらく今年中には日本法人が立ち上がる状況を考えると、ようやく日本も世界標準のマーケティングを実現できる環境になると感じています。
我々は自社のマーケティングサービスを提供するだけではなく、他社のMAを紹介する立場でもあるので、共催セミナーを開催していますが、日本企業が一番ノウハウを持っていない分野なので、MAを活用できる組織もヒトもほんの一握りです。そのためMAを導入しても、活用できず解約というケースに陥る可能性があります。日本企業は一度失敗すると次から慎重になるので、失敗事例の山が築かれる前に何ができるだろうかと日々考えています。心配している面もありますが、我々が10年以上前からコンタクトし続けていたEloquaなどが日本でも利用できる環境になったことは非常に嬉しく思っています。

弓削氏:私と渡部は元々Dun & Bradstreet(D&B)にいまして、そこから当社に移ってきました。D&Bでもマーケティングを担当しており、テリトリーは日本国内の一部・二部上場企業と外資系企業が中心でした。しかし当社ではその垣根がなくなり、国内の全企業を対象にマーケティング活動を行っています。そこで営業活動の効率化と成約率の向上を目的に、Oracle Cross-Channel Marketing(旧Oracle Eloqua)を採用しました。
元々、D&Bの頃からEloquaを利用して日本向けのプロモーションなどを行っていましたので、当社に移ってからも社内のデータを有効活用してROIを可視化し、根拠のあるプロモーションを行いたい、それができるのがEloquaでした。自社で活用すると同時に、当社の企業データを活用したMA支援のサービス提供を考えています。

─こういった状況から社内のデータを活用したいという企業が増えてきていますが、東京商工リサーチでは、どのようなサービス提供が可能ですか。

弓削氏:当社では与信管理用に情報量の多いリッチデータをベースにサービスを提供していました。しかし、マーケティングに利用するためのデータとしては情報量が多い。従業員数を1人単位まで出すことができますが、そこまでは必要なく、100名以上といったレンジで十分ターゲットのセグメントにも活用できるはずです。例えば、フォームに埋め込んでおくことで、エンドユーザーが企業名を入力すると、Eloquaを利用していればプロファイリングに必要な変数になる項目だけを自動的にアカウントの中で入力する仕組みができたりするので、戦略的なマーケティングに活用できるのではと考えています。

その他にも、プロファイリングサービスがあります。これは元々、BtoCでよく利用されるカスタマー・プロファイリングをBtoB向けにアレンジして提供しているサービスです。BtoCとは違いBtoBでは1時間のうちに、50社が社名変更したり所在地が変わったり、15社倒産したり、10社が設立したりします。こういった情報をデータに反映させることは困難です。しかし我々は最新の企業情報を管理しており、その情報を活用することで、お客様の製品・サービスが、どの業種にマッチしているかや、全体の売上に対する貢献度などを15項目以上の変数から分析することが可能です。
また、このデータをMAのスコアリングに活用するサービスとして提供し始めています。プロファイリングやスコアリングは、マーケティング担当者の経験や感覚で行われているケースが多いと思います。例えば、「自社の製品は製造業に強いので、製造業であればウエイトを100」と設定することがあります。当たっている場合もありますが、企業データを活用して分析すると、「実は卸売業への浸透率が最も高かった」という意外な結果を得られる場合がありますので、その業種をスコアリングに反映させることにより、経験や感覚だけに頼らない戦略的なマーケティングが可能になると考えています。

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