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ホーム > インタビュー > スペシャル対談[日本オラクル株式会社] Oracle Eloquaが日本に来て約2年 BtoB企業の「現状」と「これから」(後編)

今年4月にラスベガスで開催された「Modern Marketing Experience 2016」はABM(アカウント・ベースド・マーケティング)一色でした。なぜ、今ABMなのか?どのような概念で、何を実現するのか。日本のBtoB企業にとって、このABMは強力な武器となるのか否かを解き明かしていきます。

Oracle Eloquaのこれから
─BtoBという領域で利用する際にOracle Eloquaが、この2年間で機能的に進化している部分はどこですか。

塚越氏:Oracle Eloqua自体が成熟したソリューションでしたので、それほど大きな変化はありませんが、BtoBマーケターの取り組みがMA以外にも広がったことに伴い、他システムとの連携が進んでいます。その1つ目がオラクル・クラウド・マーケットプレイスで、連携ソリューションを紹介しています。あとはオラクル社が買収したソリューションでは、Oracle BlueKaiの企業情報やテストツールもあります。あとは、コンテンツマーケティングのCompendiumといったソリューションも提供していて、Oracle Marketing Cloudに統合されています。エコシステムがより強化されたという実感です。

庭山:Modern Marketing Experienceの初日にOracle Eloquaの責任者であるKevin氏はスピーチで、もうツールを追いかけるのやめたほうがいいと言ってました。現在4,000あって、こんなにあるのにツールを追いかけている場合じゃない。自分で一つ一つ評価するのはもう無理だから、信用できるベンダーやエージェントがインテグレートしてくれるものにしないといけない状況になっています。

─日本オラクル社としては、今後Oracle Eloquaをどのような戦略で日本のマーケットに訴求していこうとお考えですか。

塚越氏:Oracle Eloquaの強化された部分をお客様にお伝えしていくというのが一つです。もう一つは、Marketer Lover&IT Trustです。マーケターが使いやすい仕組みができていて、セキュリティも含め、ITとしてもしっかりしていることを訴求していくことで、信頼できるポジションを確立し差別化を実現したいと考えています。
今までOracle Eloquaができていたことを強化して、その上で日本オラクル社ならではの部分をアピールしていきます。Oracle Sales Cloudもインテグレーションの段階です。Oracle Eloquaはオラクル製品だけしか連携しないと誤解されるケースもあるんですよ。他社のSFAともしっかりと連携できることを認知してもらうことも進めたいですね。

庭山:最も歴史があるのはOracle Eloquaですよね。だけどOracle EloquaユーザーがOracle Sales Cloudを使っているかと言うと、実は意外と使っていないんですよ。これは本当にもったいないですね。
オラクル社は中堅以上の企業が使えるMAとSFAを両方もっていることは非常に強みだと思います。

─最後に、これから日本のマーケットでもさらにOracle Eloquaを訴求していくにあたり、アピールポイントをお聞かせください。

塚越氏:とにかくエンドユーザーの利便性を向上させるために更なる開発を進めています。お客様への最大の貢献は、そのツールがちゃんと伸びていくことだと思います。Oracle Eloquaを中心にユーザーが扱いやすいかたちで、付加価値を高めていきます。いろいろな製品を買収していますが、それらが連携していくようにオラクル社が責任をもって遂行していくことが重要だと考えています。ラスベガスのイベントのように、先進的な事例を広めていくという活動は日本でも行いたいですね。
現場目線の話では、Oracle Eloquaを活用するためのサービスとして、今後はクライアントサクセスチームという既存のお客様の担当チームから、お客様固有の要件に対してのサービスを提供していこうと考えています。実務的なところに関してはパートナー様にお願いしますが、マーケティングに関する座学のような部分は日本オラクルが取り組んでサポートしていくべきだと考えています。
お客様を一番理解しているパートナーと組んで、昔から積み上げてきたオラクル社のナレッジを提供していくことで、日本のBtoB企業のマーケティングを成功に導いていければと考えています。

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日本でもABMが注目され始め、製造業ではMA導入が進んでいます。今後これらを有効活用していくことが、日本のBtoB企業が飛躍するための鍵となることでしょう。

日本オラクル株式会社
クラウドアプリケーション事業統括
オラクルマーケティングクラウド本部 営業本部長
塚越 秀吉

1995年より企業向けアプリケーション(ERP)の日本市場における展開をSAPジャパン株式会社にて開始、主に製造業向けのグローバルSCMやEビジネス業務改革プロジェクトを担当。
2006年に日本オラクルに入社。エンタープライズアプリケーションの提案及び導入支援を行う。
2013年よりグローバル クライアント アドバイザー部門にて、大規模グローバル事業を展開する企業を専門としたチームを牽引、自らは自動車業界を担当。2016年11月から、マーケティングクラウド統括本部 営業本部長としてマーケターのテクノロジー活用を支援し、経営に直接的なインパクトをもたらすマーケティングの提案、支援を行う。

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役
庭山 一郎

中央大学法学部卒。アスクプランニングセンターにて商業施設のマーケティングプランナーとして勤務の後、1990年9月にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。データベースマーケティグのコンサルティング、インターネット事業など約300社、1,200以上のマーケティングプロジェクトを手がける。
1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシング事業を開始。製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。海外のマーケティングオートメーションベンダーやBtoBマーケティングエージェンシーとの交流も深く、長年にわたって世界最先端のマーケティングを日本に紹介している。

見たい・聞きたい・知りたい MA(マーケティングオートメーション Marketing Automation)相談室

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