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2016.10.06

MA担当者のお悩み ─スコアリング編─

MAを有効活用したマーケティングを実現するために、MA運用サポート経験豊富なスペシャリストが担当者のお悩みにお答えするコラムです。第5回目は、MAのコア機能であるスコアリングについてご紹介します。

前回は、オンラインのコミュニケーションに不可欠なフォームについてご紹介しました。しかし、メールマガジンを配信しただけでは、成果には結びつきません。コミュニケーションを通して、育成した見込み客を他社に刈り取られる前に、絞り込むプロセスが重要となります。今回は、MAの主役と言える有望見込み客を絞り込む機能「スコアリング」について、担当者のお悩みを通してご紹介します。

そもそもスコアリングとは何ですか?

リードナーチャリングにより啓蒙・育成された見込み客の中で、ニーズが顕在化している可能性の高い有望見込み客を絞り込む(リードクオリフィケーション)際に利用する点付けのことを「スコアリング」と言います。
ツールによって呼称は異なりますが、MAではプロファイル(企業属性)とアクティビティ(行動解析)の2軸で点数付けを行うことを指します。さまざまな条件を組み合わせて有望なリードを絞込み、営業のアプローチ先を創出します。

プロファイル(企業属性)にはどういう情報を利用するのでしょうか?

企業の業種や売上高などスタティック(静的)な情報を利用します。営業のアプローチ先として、どのレベルのMQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング活動により絞りこまれたリード)を何件創出する必要があるのか、またその条件に該当するデータがMAで何件保有されているかを確認してください。
例えば、「売上高が3億円以上の製造業」をターゲットと定義しても、MAにその条件のデータが登録されていなければ意味がありません。もし、データがないのであれば、展示会に出展してデータを収集する施策から見直すことをお勧めします。

スコアリングの点数づけを、1点単位で設定できるMAもあるようですが、どこまで細かく設定すべきでしょうか?

MQLに対して、どのようなアクションを行うかを想定して、スコアリングモデルを設定することが必要です。しかし、はじめから細かく設定しても、その後のアクションが同じであれば、細かく分ける必要はありません。それに、ほとんどスコアに差が出ず、思ったとおりの配分にならないことがほとんどです。最初は、特定のコンテンツのみにスコアをつけるなど、チューニングしていきながら成果に結びつけることが重要です。
また、「資料をダウンロードした方へは全て営業からコールをする」など、特定の条件に当てはまるリードに対してアクションが既に決まっている場合、無理にスコアリングで点数付けする必要はありません。

ターゲットが異なる製品を複数扱っています。スコアリングモデルも複数設定することはできますか?

製品のターゲットが異なれば、プロファイル(企業属性)なども異なるため、一つのスコアリングモデルでは対応できません。MAによって、スコアリングモデルを複数設定できるものとそうでないものがありますので、事前にMAベンダーに確認してください。

スコアリングによってMQLになり営業に渡した見込み客(リード)は、次のコミュニケーション時にスコアが高くてもアプローチ対象になりません。どうしたらよいでしょうか?

どのリードを営業に渡したのかという履歴をMAにフィードバックすることで、アプローチ対象外のリードをMQLに含めないようにすることは不可能ではありません。また、MAによっては、直近でMQLになったリードに対するスコアを減算することができます。

スコアリングを設定したのですが思うようにMQLの件数が増えません。どのように改善すればいいですか?

まずはMQLがどのくらいの期間で、どのレベルのものが何件必要なのかを、営業などMQLをフォローする関係者とすり合わせることが重要です。そして、必要となるMQLの件数から逆算し、保有すべきデータの件数までを設計します。そこで、例えばスコアリングの条件が厳しすぎるため、MQLの件数が少なくなっているなど、ボトルネックになっている部分を特定し、チューニングして行くことが重要です。

MAのコア機能であるスコアリングが有効活用できるかによって、成果が左右されると言っても過言ではありません。MAをただのメール配信ツールにしないためにも、正しく理解し、知見のある相談相手を見つけましょう。